県議選の無投票区は、前回の二〇一五年選挙時の九から二十二へと大幅に増えた。〇三年選挙時の二十選挙区を上回って過去最多となり、統一選で実施される関東地方の五県議選の中でも最も多かった。無投票当選者三十二人は定数九三の三分の一を上回る数だ。
無投票だった選挙区の定数別の内訳は、一人区が十四、二人区が六、三人区が二。北2区(横瀬・皆野・長瀞・小鹿野町、東秩父村)や東2区(羽生市)などは、一一年と一五年に続き三回連続の無投票。定数三の北5区(熊谷市)は同市を含む選挙区としては戦後初の無投票となった。
国政野党が弱体化して自民と競えるだけの候補者数を擁立できないなど、他県と共通の要因もあるが、特に埼玉で目立つのは一人区の無投票の多さだ。
一人区は全国で二番目に多い二十七あり、その半数以上が無投票だった。一人区では、安定した支持基盤を持つ自民現職を破ることが難しく、野党が候補を立てにくいとされる。
今回も自民以外の政党のほとんどの候補は複数区に出馬。一人区で無投票当選した十四人中十三人が自民現職だった。
全体の立候補者数も百二十九人と前回より三十五人少ない。特に無所属候補が六十五人から三十一人へと大きく減った。一五年時の「プロジェクトせんたく」のような大きな動きがないことも影響しているとみられる。
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