二十一日に投開票された統一地方選後半戦の三十市町議選は、二十二日未明までに当選者が全員決まった。全当選者のうち女性は約二割で、県内唯一の女性議員ゼロで注目された羽生市でも一人が当選。狭山市議選では最後の一議席がくじ引きで決まった。同日選の行田、北本両市長選はともに新人が現職を破り、市政刷新への有権者の期待を感じさせた一方、投票率は過去最低だった。 (統一選取材班)
三十市町議選の女性候補は、市議選で百二十二人中百十人、町議選で二十六人全員がそれぞれ当選。無投票だった横瀬、寄居両町を含めて計百四十一人の女性議員が誕生した。二〇一五年の前回より十人増え、全当選者に占める割合は22・2%(前回20・47%)だった。
県選挙管理委員会によると、二十市議選の平均投票率は40・43%。蓮田市を除く十九市で前回を下回った。最低は川口市の34・08%、最高は羽生市の52・73%だった。十町議選の平均投票率は50・45%で、最低は伊奈町の39・12%、最高は長瀞町の69・32%。三十市町議選の合計平均では41・10%だった。
無投票を含む全当選者六百三十五人の党派別の内訳は、自民五十一人、立民十七人、国民五人、公明九十三人、共産七十六人、維新一人、社民三人、諸派十人、無所属三百七十九人だった。
◆県内唯一の「ゼロ」解消 羽生市議は16年ぶり
県内の議会で唯一、女性議員がいなかった羽生市の市議選(定数一四)では、はにゅう市民ネットワーク新人の斎藤万紀子さん(37)=写真=が初当選し、十六年ぶりの女性議員誕生となった。二十二日に市役所で当選証書を授与された斎藤さんは「ここからスタート。弱い立場の方たちの声をしっかり聞いていけたら」と意気込んだ。
同市議選での女性の当選は一九九九年以来。女性候補は二〇〇三年がゼロ、〇七、一一、一五年が各一人で、いずれも落選し、〇三年から十六年間「女性ゼロ議会」が続いていた。
男児二人の母親の斎藤さんは、病気の夫の入院をきっかけに「支え合いの仕組みをつくることが大切」と立候補を決意。選挙戦では旧幼稚園舎を事務所にして市民ネットのメンバーや「ママ友」らの応援を受け「みんなで一丸となれて楽しかった」と振り返る。
初めて挑んだ選挙の得票数は今回の同市議選で二番目に多い二千百六十七票。「(市議会で不在だった)女性ということで期待の意味も込めて入れてくださった方も多いと思う。そういう気持ちに応えていきたい」と抱負を語った。
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