県内の統一地方選の前半戦となる県議選(定数九三、五十二選挙区)とさいたま市議選(定数六〇、十選挙区)が二十九日、告示された。投開票日はともに四月七日。県議選には百二十九人が立候補。単独過半数を占める議席のさらなる上積みを狙う自民党に対し、国政野党や無所属の「非自民勢力」がどこまで迫れるかが焦点になる。一方で過去最多の二十二選挙区が無投票となり、定数の三分の一を超える三十二人もの候補者が有権者の審判を受けずに当選する異例の幕開けとなった。 (統一選取材班)
今年は統一選と参院選が重なる十二年に一度の「亥年(いどし)選挙」であることに加え、埼玉では参院選後に知事選も控える。選挙イヤーの皮切りとなる統一選は、各党にとって今後の選挙を占う意味も持つ。
県議選の立候補者は現職七十六人、元職四人、新人四十九人。党派別の内訳は自民五十九人▽立憲民主党十人▽国民民主党四人▽公明党九人▽共産党十四人▽希望の党一人▽越谷市民ネットワーク一人▽無所属三十一人。
現在の県議会は欠員を除いた八十三人中、自民が五十一人と単独過半数を占める。他会派はいずれも九人以下という「一強多弱」の状況が続いている。
自民は今回、推薦二人を含む六十一人を擁立。「最低でも五十五議席」と単独過半数の四十七を大きく上回る目標を掲げる。国政で連立を組む公明は公認候補を立てない選挙区で、自民候補に推薦を出した。
国政野党は、自民の議席の切り崩しを狙う。県議会で統一会派を組む立民と国民は、同じ選挙区に候補を立てない「すみ分け」をした。共産は現有の五議席から八議席以上への上乗せを目指している。
自民との対立関係が続き、いまだに五期目への態度を明らかにしない上田清司知事の動向も注目される。前回は非自民勢力の結集を目指した政治団体「プロジェクトせんたく」の応援団長を務めたが、今回そうした動きはなく、「要請してきた現職候補を応援する」との方針を示している。
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