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「選挙イヤー」行方占う 行脚の知事「多数派批判」

 今年は統一地方選と参院選が重なる12年に1度の「亥年(いどし)選挙」の年。県内ではさらに知事選も控える。7日投開票の県議選とさいたま市議選は、そんな選挙イヤーの幕開けだ。今後の選挙にも影響が及ぶとみられ、統一選後に5選を目指して出馬するかを明らかにするとしている上田清司知事や、参院選の各党の立候補予定者たちも県内各地を駆け巡っている。 (統一選取材班)

 「この十年、多数派の自民党と闘い、結果として県政を支えてきた」。告示日の二十九日夕、志木市内でマイクを握った上田知事は、隣に立つ県議選の無所属現職候補をたたえた。

 自身に近い会派の代表として最大会派の自民県議団と対立してきた候補者を、会派の人数になぞらえ「七人の侍を束ねてきた」と表現。改選で「侍」がさらに増えることを期待した。

 上田知事は四年前の前回の県議選で、非自民勢力の結集を目指した政治団体「プロジェクトせんたく」の応援団長を務めた。今回はそうした動きこそないものの、告示後の動きは前回と同様に精力的だ。応援に入る相手は、前回「せんたく」として戦った無所属候補や、県議会の会派「立憲・国民・無所属の会」の候補たち。県内全域で毎日、複数箇所を回っている。

 演説では対立が続く自民への批判が目立つ。政務活動費の領収書のインターネット公開が進まないことなどを例に「県議会の情報公開度は全国四十六位。オープンにしようとしても、多数派がブロックする」と主張。移動車にも「県議会改革」の看板を掲げる。

 上田知事の去就表明と、自民の知事選の独自候補決定はともに統一選後の予定。選挙結果の影響にも注目が集まっている。

 ◇ 

 各政党にとっては、統一選は参院選の行方を占う選挙となる。県内では改選定数四に対し、各党から六人が立候補を予定。統一選の候補者の街頭演説などには、参院選の立候補予定者たちの姿もある。

 国民民主党の新人宍戸千絵さん(41)は三十一日、所沢市内で一日中、統一選の候補者と選挙カーに乗り、有権者に声を掛け続けた。各候補から選挙の「いろは」を学び、自身の知名度向上にもつなげたい考えだ。

 公明党の現職矢倉克夫さん(44)も同日、川越駅前で開かれた統一選の同党新人候補の街頭演説に駆け付けた。演説では、同年代の候補者と自身を重ねて「若さこそ、政治家の可能性の一つ」とアピール。統一選中は公明の候補に加え、公明が推薦する自民候補の応援にも入るという。

 自民現職の古川俊治さん(56)、立憲民主党新人の熊谷裕人さん(57)、共産党新人の伊藤岳さん(59)、日本維新の会新人の沢田良さん(39)も、統一選候補の応援に飛び回っている。

 

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