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「無関心」に変化を 無投票が過去最多

<解説> 県議は「県民の代表」だ。県の予算案や条例案を審議し、執行部に質問し、時には自ら議案も提出する。年間千五百万円を超える報酬をもらい、税金で海外視察にだって行ける。

 これから四年間、そんな「センセイ」の三分の一は、誰に選ばれたわけでもない人たちが務める。過去最多の二十二選挙区での無投票とは、そういうことだ。

 原因は何か。無投票を生みやすい「一人区」が全国で二番目に多い今の「区割り」も要因の一つだろう。

 昨秋に県議会で定数や区割りが議論された際、少数会派が「複数区の増加」を訴えたのに対し、最大会派の自民は「現状維持」を主張した。結果的に単独過半数を保った今、四年後に向けた対応が注目される。

 十分な数の候補者を立てられなかった国政野党の責任も重い。自民の「一強」を批判しながら、それに代わる選択肢を示すことは放棄している。

 有権者の三分の一の二百万人は、無投票により一票を投じる権利すら与えられなかった。だが、結局、残りの四百万人も三割強しか投票していない。県政への無関心。まずは、ここから変えないといけないのかもしれない。 (井上峻輔)

 

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