東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 統一地方選2019 > 埼玉 > 記事一覧 > 記事

ここから本文
写真
 

2市長選と20市議選告示

 統一地方選後半戦の行田、北本両市長選と20市議選が14日、告示された。両市長選は、いずれも現職と新人による一騎打ちとなり、行田市では12年ぶりの選挙戦に。20市議選は総定数474に対して578人が立候補し、20市全てで立候補者数が定数を上回り、選挙戦に突入した。各地では人口減少などの課題を巡って論戦がスタート。前半戦の県議選とさいたま市議選で、低調だった投票率の行方が注目される。16日には毛呂山町長選と12町議選が告示され、いずれも21日に投開票される。 (統一選取材班)

◆北本市長選 市政継続か刷新か 現新2人、事業巡り論戦火ぶた

出陣式で支持を呼び掛ける候補者(手前)=北本市で

写真

 北本市長選は、四期務めた市議からの転身を図る無所属新人の三宮(さんぐう)幸雄さん(68)と、再選を目指す無所属現職の現王園(げんのうぞの)孝昭さん(72)の二人が立候補した。

 今回の市長選は、現市政の評価が争点の一つ。財政の立て直しや市内経済の活性化を進めてきたとして、現王園さんが市政の継続を訴える一方、三宮さんは市の未来を見据えた事業の見直しを主張。福祉の充実も掲げて、市政の刷新を訴える。

 市長選は三度目の挑戦となる三宮さんは、同市の西高尾一丁目公園で開いた出陣式でマイクを握り「今回の選挙は、子どもたちの未来に何を残せるかが争点だ」と強調。高齢者ら社会的弱者の居場所づくりが最優先課題としつつ「展望のない大型区画整理事業も見直す」と約束した。

 さらに、さまざまな事業の見直しにも言及して「未来の子どもたちに、街の魅力を残すことが私の使命だ」と決意を語って締めくくった。

 一方、現王園さんは同市の北本スポーツセンターに設けた選挙事務所で出陣式を開催。「北本市が、さらにパワーアップするか衰退するか。その選択の選挙だ」と語ると、市の借金である市債の減少や、高校生までの医療費無料化を実現した実績を強調した。

 その上で、力を入れてきた企業誘致の継続にも意欲を示し「いろいろと種をまいたものが、少しずつ芽をふくらませている。何としても次の四年間で仕上げたい」と支持を訴えた。

◆行田市長選 ごみ処理施設、争点に

候補者の話に耳を傾ける支持者ら=行田市で

写真

 行田市長選に立候補したのは、元市議で無所属新人の石井直彦さん(75)と、四期目を目指す無所属現職の工藤正司さん(68)=自民、立民、国民、公明、希望推薦=の二人。

 石井さんは「市民が住み続けたい街」や「子育てをしたい街」を掲げ、人口減少対策を主張。鴻巣市などと広域的に取り組む新ごみ処理施設の行田市内での建設や、給食費の無料化、保育・学童の待機児童ゼロなどを公約にしている。

 同市西新町の事務所近くの広場で開いた出陣式では「行田市は、このままでいいのか。十二年の間に、にぎやかになったのか。待機児童は何年やったらゼロにできるんだ」と三期務める現職を批判。応援の市議や支援者らを前に「ごみ処理場を鴻巣に持っていっていいのか。行田市の土地を生かさなければいけない。経費の削減、給食費の無料化、学力の向上を図る。変えなければいけない」と訴えた。

 対する工藤さんは、行田市のJAほくさい行田中央支店敷地内で第一声。近隣市町の首長らが多数応援に駆け付けた中、支援者を前に、市の借金減少や観光客増加など三期十二年の実績を強調。人口減少対策を最大の課題とし「転出者の数が減ってきている」と自らの政策効果をアピールした。

 石井さんが訴えている行田、鴻巣、北本の三市の広域ごみ処理場計画の見直しについては「既に基本合意ができている話。荒唐無稽な議論」と一蹴。「行田市は今、飛躍の時を迎えようとしている。力を合わせ、さらに上のステージに押し上げていかねばならない」と主張し「必ず公約を実現させる自信がある」と支持を呼び掛けた。

◆20市議選に578人 全市で選挙戦に

 二十市議選(総定数四七四)には計五百七十八人が立候補し、全市で選挙戦になった。市議選が行われるのは川越、熊谷、川口、行田、所沢、加須、東松山、狭山、羽生、鴻巣、深谷、越谷、和光、北本、蓮田、幸手、鶴ケ島、日高、ふじみ野、白岡の二十市。

 県選挙管理委員会のまとめと本紙の取材によると、立候補者の内訳は現職三百八十七人、元職十九人、新人百七十二人。

 党派別では自民五十四人、立民十七人、国民六人、公明七十七人、共産六十二人、維新四人、社民四人、諸派十九人、無所属三百三十五人となっている。

 女性の立候補者は百二十二人で全体の約二割だった。

 各市議選の定数は、行田市で改選前から二減の二〇となった以外は、二〇一五年の前回選挙と変わらない。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】