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行田市長選 候補者の横顔

 21日に投開票される行田市長選の立候補者2人の横顔を紹介する。 (渡部穣)

(届け出順)

◆コスト意識 民間で磨く

 石井直彦(いしい・なおひこ)さん(75) 無新

 「行田市は古代の遺跡など歴史的な観光資源が数多く残る、県内でも有数の素晴らしい街。ところが、観光ビジネスに有効活用できていない」。舌鋒(ぜっぽう)鋭く、現在の市政運営を批判する。

 背景には証券会社や家具の量販店といった民間企業で、三十歳まで働いた体験がある。家具店では店舗開発を担当。経営方針で対立した家具店を退職してからは、そろばん塾を経営している。いわく「市長は観光客が増えたというが、どこに人が増えたというのか。コスト意識が足りない。にぎわい創出の拠点づくりを進めるべきだ」。

 六十歳を前にした二〇〇三年、市議選に立候補して初当選。〇七年には市長選に出馬し、今回の対立候補となっている工藤さんを含めた四人で争ったが、敗れた。一一年に市議に返り咲き、三期目を務めた後、市長選への再挑戦を決めた。

 商業高校卒業後に就職したが、証券会社在籍中に大学に進学。市議一期目途中からは大学院にも通って勉強した苦労人だ。

 行田、鴻巣、北本の三市で合意している鴻巣市内での広域ごみ処理場建設に反対し「行田に造るべきだ」とも主張している。

 息抜きは自身の塾に通ってくる子どもたちと遊ぶこと。「子どもが大好き。手数をかけると、どんどん伸びる」と目を細める。子どもの教育にもっと予算を割くことや市長の退職金・報酬のカットも訴える。

 座右の銘は「あきらめない」。尊敬する人物は坂本龍馬。

◆「兵法」愛読 多くを学ぶ

 工藤正司(くどう・まさじ)さん(68) 無現<3>=自立国公希

 「行田に対する愛は誰にも負けない。『行田を元気にする』を基本に、市民の声に耳を傾け、市民の目線を大事にしてきた」。三期十二年の市政運営に胸を張る。昨年九月に早々に出馬を表明し「これまで種をまいてきた施策が実を結びつつある」と四期目に意欲を燃やす。

 生まれも育ちも行田。大学卒業後に市役所に入り、上下水道部長、市民生活部長、市消防長などを歴任。一貫して行政の道を歩み、二〇〇七年の市長選で初当選した。「県北の地域一帯の活性化を目指している」

 好きな言葉に、尊敬する山本五十六旧日本海軍連合艦隊司令長官の「褒めてやらねば人は動かじ」がある。「私には市職員のときから積み上げてきた経験がある。ポテンシャルをいかに引き出していくか。サイレントマジョリティーの声をいかに聴くかが大事」

 自らを動物に例えるとトラ。「行動的で受け身ではない」と分析する。「できることはスピーディーに」が信条だ。一方で「女房には、時に冷静になるよう注意されている」と笑う。「健康面でも妻のアドバイスは大きい」とも。

 趣味は読書と映画観賞。孫子の「兵法」など中国の書物を好み「疾風に勁草(けいそう)を知る」など多くを学んでいる。最近は、人類の未来を描いた「サピエンス全史」(河出書房新社)が興味深かった。テレビドラマの「陸王」や「下町ロケット」をこよなく愛し、映画も両作品を手掛けた福沢克雄監督の作品が好きだという。

 

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