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「誰が落選しても…」 激戦の高崎市選挙区ルポ

 7日投開票の県議選で、高崎市区(定数9)では強力な現職7人と手ごわい新人3人が激突し、候補者たちは「誰が落ちてもおかしくはない」と口をそろえる。現職は自民から県議会議長ら、公明と共産からは党派の両代表者、立憲民主と国民民主の県連の両幹事長という有力者が出そろった。新人はいずれも過去の市議選で上位当選を重ねた元市議たちが食い込みを図っている。(菅原洋)

 「新しい元号になり、世の中も進化し、時代が大きく変わろうとしている。県議会も発想を切り替えることが必要だ。組織がないギリギリの選挙戦だが、市議の実績もあり、自分にはしがらみがない」。新人の一人は、高崎市にある企業の敷地で声を張り上げた。

 この新人は取材に「現職たちの強さを実感する。組織と地域を抑え、選挙戦のポイントも熟知している。厳しい戦いで、新人が落ちる気がする。無党派層や(投票率の低い)若者の票を掘り起こすしかない」と危機感をあらわにする。

 三人の新人とも自民から推薦を受ける保守系。高崎市区の自民現職はベテラン一人が引退し、一人が夏の参院選群馬選挙区へくら替えするため、この二人の票を三人が奪い合う。

 高崎市の街頭では、現職の一人が「つらく厳しい戦いだが、この九日間、正直に、誠実に、正々堂々と訴えている。初心を忘れずに日ごろから街頭に立ち、県政改革の先頭でタブーにも切り込んできた」と実績を強調した。

 この現職は取材に「新人が三人とも相当強いと感じる。実績を訴えて対抗したい。現職の強力さはもちろんのことだ。自分は危険水域にいるかもしれないと思いながら戦っている」と険しい表情で語った。

 高崎市区には、県議会に現有議席を持つ五つの政党(国民民主は無所属候補を推薦)が全選挙区で唯一そろい、各党は夏の参院選群馬選挙区や知事選に向けた前哨戦に位置付けている。

 先の現職は「この選挙区の結果が特に(自民と野党共闘の対決が見込まれる)参院選へ影響してくる」と気を引き締めていた。

 

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