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相模原市長選 激戦の様相 現新5人出馬表明

現職と新人計5人が立候補を表明した相模原市長選のポスター掲示板=同市中央区で

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 統一地方選の前半戦で実施される二十四日告示の相模原市長選が、激戦となりそうな様相を呈している。現職と新人の一騎打ちだった前回四年前とは一転、これまでに現新五人が出馬を表明。「多選」の問題や国会の情勢なども絡み、先行きが見通しにくい状況になっている。(曽田晋太郎)

 「今後も市政の先頭に立って、安全に安心して笑顔で暮らせる地域社会を築くことが責務と考えている」。昨年八月の市議会本会議。加山俊夫市長(74)は自民党議員の代表質問にこう答え、四選出馬を表明した。

 ただ今回は「安定政権」だったこれまでとは違う。何期からが多選かは見解が分かれるとはいえ反発が強く、昨年五月に先陣を切って立候補表明した宮崎雄一郎市議(52)=後に辞職=は「停滞感のある市政を変えるため新しいリーダーが必要」と断言。九月に名乗りを上げた八木大二郎県議(55)=同=も「財政の硬直化や職員人事の偏向など多選の弊害が顕著」と訴えた。

 あるベテラン市議は「市職員だった加山市長は助役時代を含め長年、市役所に君臨し、口に出して物事を言える職員や市議は少ない。新人が四人も出てくるのは、開発などを進めてきた現市政に対し『このままではいけない』という声が大きくなってきた証しだろう」と解説する。

 乱立模様の背景には、関係者をまとめきれない自民党の事情もある。宮崎元市議と八木元県議は党公認で当選し、加山市長も前回、自民の推薦を得ている。党市議団の幹部は「三つの区ごとにある党の支部を束ねる組織がないため、分裂を招いてしまった」と説明する。横浜と川崎の両政令市には市支部連合会(市連)があるのに、相模原は「経費面などから設置できていない」(同幹部)。

 市内が区域の神奈川14区を地盤にする本村賢太郎衆院議員(48)の出馬表明も混迷さを増す一因になっている。旧民主党出身の本村議員は二年前の衆院選は旧希望の党から出馬し、比例復活で三選。その後は無所属になり、野党再結集の道が見えない中での決断だった。さらに、住民グループ「市民連合さがみはら」が共同代表の野元弘幸・首都大学東京教授(57)を擁立し、五人が名乗りを上げる事態になった。

 有権者はどう受け止めるのか。南区在住で、小学二年の長男を子育て中の鈴木良江さん(39)は「母親目線で共感できる政策を掲げている人がおらず、選ぶのが難しい」と話す。市政の継続か、刷新か−。有権者の審判は四月七日の投開票日に下される。

 

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