四月七日投開票の知事選で、三選を目指す現職の黒岩祐治さん(64)と新人の市民団体代表岸牧子さん(62)が舌戦を繰り広げている。財政問題、地域活性化、政令市との関係など、県が抱える課題を中心に二人の考えを聞いた。 =並びは届け出順。
◆黒岩祐治(くろいわ・ゆうじ)さん(64) 無現<2>=自国公
【問1】 県の財政健全化への取り組みについて評価し、自らの考えを示してください。
◇対策本部立ち上げ 1495億円の財源確保
1期目に「緊急財政対策本部」を立ち上げ、結果、1495億円の財源を確保した。今後も、経済のエンジンを回し税収を増やし続けること、そして、事業と税の割合が政府と地方で逆転している税財政構造の現状を抜本的に改革することが必要だ。
【問2】 人口減が進む横須賀・三浦地域と県西地域の活性化策を教えてください。
◇城ケ島大橋無料化 観光の核づくりへ
城ケ島大橋を無料化し、城ケ島・三崎地域の「新たな観光の核づくり」を本格化させる。三浦半島活性化プロジェクトを強力に推進する。(横須賀・三浦)
「未病の戦略的エリア」に位置づけ、活性化プロジェクトを推進。大井町の未病バレー「BIOTOPIA」来場70万人など具体的な政策で活性化を図る。(県西)
【問3】 政令市への権限と財源の移譲に賛否を示し、理由も答えてください。
◇利便性、効率化考え 権限移譲向け協議
住民の利便性向上や事務の効率化などに資するものについては権限移譲を推進すべきだ。これまでも権限移譲に向けた協議を行ってきており、パスポート発給事務については、来年度中に横浜市に移譲する方向で準備を進めている。
◇憲法改正するには幅広い合意が必要
憲法を改正するためには、幅広く国民の合意形成をしていくことが必要だと考えている。
◆岸牧子(きし・まきこ)さん(62) 無新=共
【問1】 県の財政健全化への取り組みについて評価し、自らの考えを示してください。
◇緊縮財政をやめて 福祉・教育予算増を
市町村への補助金削減や県民サービス切り捨てによる緊縮財政を取ってきた現知事のやり方は評価できない。財政力指数は3位、基礎的財政収支は6年連続黒字(2019年度1397億円)。緊縮財政をやめ、県民福祉・教育予算を増額すべきだ。
【問2】 人口減が進む横須賀・三浦地域と県西地域の活性化策を教えてください。
◇農畜水産業を支援 自然生かした観光
農畜水産業の支援、自然を生かした観光振興、商店街活性化支援など市町と連携し地域循環型経済を進め、雇用をつくる。(横須賀・三浦)
海と山の自然を生かした観光や農畜水産業支援、自然エネルギーの「地産地消」など地域資源を生かした取り組み支援で活性化応援。(県西)
【問3】 政令市への権限と財源の移譲に賛否を示し、理由も答えてください。
◇行政サービス向上 市と協議・決定必要
県の役割の一つに「広域事務」がある。大規模都市計画、河川管理、広域防災などを総合計画的に行っている。この役割から見て、権限を移譲した方が効率的かつ行政サービス向上につながるかどうか個々に判断し、市と協議・決定する必要がある。
◇憲法の根幹をなす第9条は守るべき
特に守るべき条文は第9条(戦争の放棄)と第13条(個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利)。憲法の根幹をなす条文であり国連が目指す「SDGs」(持続可能な開発目標)につながるものだからだ。くらしと戦争は地続き。安倍9条改憲に強く反対する。
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