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支持層固め、奔走 浮動票狙い 現新4人激戦の相模原市長選

 現新の無所属四人が争う相模原市長選は、七日の投開票まで一週間を切った。四選を狙う現職の「長期政権」への反発を背景に、三分裂する保守系と、野党系の各候補が激戦を繰り広げている。有権者は誰に市政運営を託すのか。四人の選挙戦を追った。 (曽田晋太郎)

 「おはようございます。ご苦労さまです」。告示二日後の先月二十六日朝、現職の加山俊夫さん(74)は相模原駅前で行き交う人に声を掛けた。新人との一騎打ちだった四年前と違い、「今回は厳しい」。過去の選挙でほぼ経験がない駅立ちに、早々に臨んだ。

 さらに、前回推薦を受けた自民党の支持層を固める起爆剤として、同日の集会に甘利明・党選対委員長を招いた。党の市議団や地元の国会議員、県議らが並ぶ壇上、甘利さんは「党が総力を挙げて応援する」と述べた。

 党幹部の力を借りなければならないのには、自民が一枚岩でない事情がある。党市議団(十三人)の一部は八木大二郎さん(55)の支援に回る。八木さんは党公認で緑区から二期連続当選した元県議。加山さんの出馬表明直後に名乗りを上げ、「多選」阻止を掲げた。

 二月には党県議団(四十六人)のうち約九割の支援を取り付けた。市選出の県議は含まれていないものの、「自民の候補」をアピール。先月二十八日夜は、地元の自民市議とその後援会長らと共に南区の町田駅前に立ち、支持を訴えた。

 「パイロットから新しい市長候補です」。元市議の宮崎雄一郎さん(52)は、日航の機長を務めた経験を前面に自転車で町中を巡る。党公認で当選した四年前と違い、保守分裂の今回は「政党の支援はなく、無党派に浸透しないと勝ち目はない」(選対幹部)。

 選挙戦では大学生が自転車で宮崎さんの後を走る。「宮崎雄一郎をお願いします」。二十七日は緑区で、男子大学生(21)が本人に劣らない大声を張った。親近感が湧くのか、近寄ってくる若者の姿も多くあった。

 旧民主党出身の元衆院議員本村賢太郎さん(48)も自転車で市内を回る。「一万人に会いに行く」と掲げ、駅立ちをはじめ、公園やスーパーの前で少人数の集会を一日十数回行い、祭り会場など人が集まる場所にも顔を出す。「投票に行って」とも呼び掛け、「鍵を握る」と語る浮動票獲得へ、投票率の向上も図る。

 民主から分かれた立憲民主、国民民主の関係者の多くは本村さんを推す。両党の支持母体である連合も、県組織は加山さんに推薦を出したが傘下組織で本村さんを支援する動きがある。

 ただ、過熱する候補者の争いをよそに、冷めた見方をする有権者も少なくない。中央区の会社員森稚志雄(ちしお)さん(50)は「たくさん立候補しているのに、市長の座を巡る政争が先行しているように思える。政策がはっきりしないのが残念」と語った。

◆相模原市長選立候補者(届け出順)

本村賢太郎 48 (元)衆院議員   無 新

宮崎雄一郎 52 (元)市議     無 新

加山俊夫 74 市長      無 現<3>

八木大二郎 55 (元)県議     無 新

 

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