七日投開票の統一地方選で、横浜市鶴見区では県議選(定数三)に六人、市議選(同七)に十四人が立候補している。計二十人が選挙運動を展開している状況で、四日朝にJR鶴見駅を訪れると、候補者間で激しい場所取り合戦が繰り広げられていた。 (加藤益丈)
「おはようございます」。午前六時半ごろ、市議選の候補者三人が同駅東口の少しずつ離れた場所に立ち、道行く人に声を掛けていた。改札に向かうエスカレーター前の「一等地」に陣取った候補者は「告示前は午前三時に他の候補者の旗が立てられていた日もあった。最近は落ち着いたけど、午前六時に来ないと、ここは取れない」と明かす。
同駅は一日平均約八万人が乗車する区内屈指の駅。別の候補者は「朝は足を止める人はほとんどいない。名前だけでも知ってもらえれば」と連日立ち続けている。ただ、候補者が多すぎるせいか有権者の戸惑いも感じるという。「『あなた、どっちの選挙』と聞かれた」と苦笑する。
西口に回ると、一階と二階に一人ずつ。一階にいた陣営は「後から来た候補者に三十分で代わるよう求められ、トラブルになることもある」と困り顔を浮かべる。
街頭演説が認められている午前八時を回り、東口にいた三人のうち二人がマイクで話し始めた。遠くまで声が響くようにはなったが、ベンチに座ってバスを待っていた女性会社員は「名前が聞き取れるだけで、他は何を言っているか分からない」。
再び西口。新たに県議選と市議選の候補者が立っていた。別の駅から回ってきたという候補者は「どこも候補者でいっぱい。熱意が有権者に伝わり投票率が少しでも上がってほしい」とつぶやいた。
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