今回の議員選の結果を神奈川大の大川千寿(ちひろ)准教授(政治過程論)は「分裂により信頼できる野党が少なく、自民への消極的支持が目立った。立民は自民への対抗勢力になり得ることを示した」と総括した。
40%台前半だった投票率については「30%台と思ったが踏みとどまった。県議選は史上最多の十三選挙区で、横浜市議選も戦後初めて神奈川区で無投票だった。有権者の間に民主主義への危機感があったのでは」と分析する。
ただ、低投票率に変わりはなく「自民、公明、共産という組織力のある政党が有利になった」と指摘。国民が苦戦し、当選を重ねていた現職も落選したのは「地方議員の実績は見えにくく、政党のブランドで評価された」ことを要因に挙げた。
「国民は浮上する妙案がなく、政党として存続できるか危うい」と厳しい見方を示す。立民も「党内でもめず、着実な活動をしないと立場は確立しない」としながらも、「成長過程にあり、浮上する可能性はある」とみる。
さらに「自公の安定した地盤と、共産の底堅さ、立民の勢い、議席がゼロのままだった希望の低迷が如実に表れた。この結果は参院選にも反映されるだろう」と予測した。
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