第十九回統一地方選は、幕開けとなる三月二十一日の十道県知事選告示まで一カ月となった。福井、島根、徳島、福岡の四県知事選は、自民党支持層の対応が割れる保守分裂選挙になる公算が大きい。北海道は与野党が推す新人同士が対決する。夏に参院選を控え、各党は知事選や同じ四月七日に投開票される四十一道府県議選、二十一日投開票の衆院大阪12区、沖縄3区の補欠選挙などで総力戦を展開する。
四県はいずれも「保守王国」とされる。自民党内には組織内で不協和音が生じても野党の「漁夫の利」にならないとの判断がある。ただ、しこりが残れば運動量に響くだけに「夏の政治決戦」に影響を与えるのは間違いない。
統一地方選では地域ごとの課題のほか、安倍政権の地方創生や経済政策の是非が問われる。地方議員のなり手不足が顕在化する中「政治分野の男女共同参画推進法」成立で女性議員が増加するかどうかも焦点の一つだ。
二月二十日までの共同通信社の調べで、十道県知事選には計二十四人が立候補する予定だ。
福井で自民は元副知事の新人を推薦すると決定。ただ、一部県議は五選を目指す現職を支援している。福岡では、麻生太郎副総理が中心となって元厚生労働官僚の新人を擁立したが、二階派の県内選出衆院議員らが現職支持に回っている。
現職引退の島根では、自民は県連執行部が推す地元出身の元総務官僚の支持を決定。だが、中堅・若手県議らは別の元総務官僚を推す。党県歯科医師支部長で元安来市長も立候補表明した。徳島では五期目を目指す現職に、多選を問題視した元自民県議らが挑む構図だ。北海道では自民、公明両党が推す夕張市長と、立憲民主、国民民主両党が擁立する元衆院議員が激突する。
大阪では府知事と大阪市長が任期途中に辞職して「ダブル選」に踏み切り、都構想の是非を問う案が検討されている。
知事選と同じ四月七日投開票の五政令市長選は三月二十四日に告示される。一般市長、市議のほか、東京特別区長、区議、町村長、町村議選は四月二十一日に投票される。統一地方選全体の選挙件数は九百七十四件。全地方選に占める割合を示す「統一率」は27・24%で過去最低になる見通しだ。
◇統一地方選 知事・政令市長選予想顔触れ
●知事選
●政令市長選
立候補予想者は20日現在の本社調べ。並びは(1)現元新(2)政党の衆院勢力(3)五十音−の順。氏名は敬称略で本名の漢字書き。政治活動名が通用している場合は通称名。21日現在の満年齢、肩書、党派、現元新の別(丸囲み数字は当選回数)。政党の推薦や支持があれば次行に示した。
▽党派の略称 自=自民党、立=立憲民主党、国=国民民主党、公=公明党、共=共産党、無=無所属。
この記事を印刷する