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野党弱体化 候補者擁立に苦戦

 統一地方選で行われる関東地方の五県議選(二十九日告示)で総定数の四分の一が無投票になる可能性が出てきた。野党の地方組織が弱体化し、候補者を擁立しづらくなったことも影響している。

 野党第一党の立憲民主党。統一選で地方議員を増やして勢いをつけ、夏の参院選になだれ込む戦略を描く。しかし、衆院埼玉5区選出の枝野幸男氏が代表を務めているにもかかわらず、埼玉県の公認候補は十人にとどまる。県連代表を兼ねる枝野氏は「結党してまだ一年五カ月。現状の態勢では最大限だ」と指摘するが、同県議選の定数は九三。有権者に十分な選択肢を示せていないのは明白だ。

 特に無投票が多くなりそうなのが一人区。神奈川は十五の一人区中八選挙区、埼玉も二十七の一人区中十四選挙区で無投票の可能性が出ている。

 野党候補が一人区への立候補をためらう理由の一つは、現職の与党議員を破るのは簡単ではないから。国民民主党の神奈川県連幹部は「一人区では、地縁を生かした強固な支持基盤を持つ現職が有利。多くの候補者を当選させるため、勝てない戦いをしないのが得策」と打ち明けた。

 また、埼玉では前回、民主党出身の上田清司知事に近い無所属県議らが政治団体を結成。積極的に候補者を擁立した結果、一人区の無投票は七選挙区にとどまった。しかし今回、そうした動きは出ていない。 

  (志村彰太、井上峻輔)

 

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