東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 統一地方選2019 > 総合 > 記事一覧 > 記事

ここから本文
写真
 

4知事選 自民分裂 野党弱体で対立表面化

 十一道府県知事選のうち、福井、島根、徳島、福岡の四県は保守分裂選挙となった。いずれも「保守王国」とされる地域で、対立候補を擁立したのは共産党のみ。自民党に対抗できる野党の不在が、保守分裂の背景にある。

 自民党は参院選を見据え、全勝を目指す。党本部主導で候補者を強引に一本化しなかったのは、分裂しても野党側に負ける可能性はないと判断したからだ。

 第二次安倍政権の発足後、初めて迎えた前回四年前の統一地方選の知事選で、保守分裂はなかった。

 今回、分裂した四県のうち、福井、徳島、福岡の三県は前回、自民党と民主党(当時)などが同じ候補を支援する与野党相乗りだった。島根は自公対共産だった。保守分裂する四県は前回も、自民に対抗できるような野党が事実上不在だったといえる。保守分裂した県では保守票が割れるので、野党第一党の立憲民主党などにとってチャンスといえたが、候補者を擁立できず不戦敗となった。

 夏の参院選では、今回保守分裂となった四県のうち福井、徳島(高知と合区)、島根(鳥取と合区)は改選一人区。勝敗のカギを握るだけに、自民党本部は知事選でしこりが残らないように腐心している。ただ、参院選の三選挙区で野党側は、共産党は候補者を決めたが、立憲民主党などほかの野党は候補者擁立を含め、対応を決めていない。

 近畿大法学部の上崎哉(はじめ)教授(行政学)は「安倍政権の一強が続き、野党が分裂する中で、地方でも野党勢力が弱くなり、知事選で独自候補を擁立する力がなくなった。その結果、自民党内の世代間や利害関係の対立が、保守分裂という形で表面化する事態になっている」と分析している。 (村上一樹)

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】