平成最後の選挙となる統一地方選が幕を開けた。今年は十二年に一度、参院選と重なる「亥年(いどし)選挙」で、各党とも参院選の前哨戦として総力戦で臨む。 (中根政人)
自民党は亥年の参院選で苦戦するとされる。地方議員が統一地方選で疲れ、参院選での活動が鈍る、と指摘する人もいる。
前回二〇〇七年の亥年選挙では、消えた年金問題に揺れた第一次安倍政権が参院選で歴史的惨敗を喫し、安倍晋三首相(当時)の辞任につながった。
前々回の一九九五年は新進党が躍進。参院選では、政党への支持が反映される比例代表で最も多い票を獲得した。自民党は九二年の参院選から二十一議席も減らして敗れた。
しかし、過去の例でみると、自民党が亥年の参院選で勝ったケースもある。
では、参院選の勝敗を左右するのは何か。それは統一地方選の結果だ。統一地方選で健闘した政党は、参院選で勝っている。
首相は今年二月の自民党大会で「十二年前の亥年の参院選挙、わが党は惨敗を喫した。当時総裁だった私の責任だ。今年は統一地方選を勝ち抜いていこう」と強調した。
今回の知事選で、自民党は大阪で維新と激突する。北海道では野党の統一候補と一騎打ち。福井など四県では保守分裂選挙となった。分裂のしこりが残れば、参院選への影響は避けられない。逆に野党側は、参院選で自民党を追い込むきっかけをつくれるかが問われる。
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