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群馬投票所85%「早じまい」 関東で突出「事務負担を考慮」

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 七日投票の群馬県議選で、85・7%の投票所が午後八時の投票締め切り時間を繰り上げることが本紙の取材で分かった。前橋、高崎両市では、全ての投票所で午後七時までに締め切られる。締め切り時間を早めると、投票できない有権者が出る可能性があり、総務省は特別な事情がある場合に限るよう各道府県選管に通知している。 (中根政人)

 群馬のほかに、今回の統一地方選で県議選が行われる関東四県では、投票締め切り時間を繰り上げる投票所の割合は、栃木が20・7%、埼玉、千葉、神奈川はゼロだった。

 公職選挙法は国政選挙と地方選挙で投票日の投票時間を午前七時〜午後八時と規定。山間部や離島の事務負担を考慮して「投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合」などに、市町村の判断で投票終了時刻の繰り上げを認めている。

 群馬県では、県庁所在地の前橋市選管が市内百カ所の投票所の終了時刻を一時間か二時間早める。市選管は「立会人の事務的負担を考慮するよう、市議会や自治会から要望があった」と明かす。県内の市町村で最多の百八カ所の投票所を置く高崎市選管も、全ての投票所の終了時刻を午後七時にする。市選管は「終了時刻の繰り上げが県内市町村の大勢」と説明する。

 県内三十五市町村のうち館林市や吉岡町など八市町村は全投票所で午後八時まで投票可能にする。県内の全投票所が終了時刻を繰り上げた二〇一五年の県議選に比べれば改善された。

 明治大の井田正道教授(政治学)は「都市部では夜遅くまで投票所のニーズがある。『特別の事情』が客観的に認められる山間部などの地域と横並びで終了時刻を早めるのは不適切だ」と話す。

 

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