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道府県議選、投票率最低見込み 民主主義 信任揺らぐ

 七日に投開票された四十一道府県議選の推定平均投票率(共同通信調べ)は44・10%で、前回二〇一五年の確定値(45・05%)を下回り、過去最低を更新する可能性がある。十一道府県知事選の推定平均投票率も47・67%で、過去最低だった前回確定値(47・14%)と同水準。多様な有権者の意思の反映を目指す民主主義の原則が、危機的な状況を迎えている。

 三十四の道府県議選では、前回より投票率が低下する見込み。関東五県(栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川)では過去最低だった。投票率が前回を上回ったのは全国で七府県だった。

 道府県議選で、総定数に占める無投票当選者の比率(無投票率)も26・9%と過去最高を記録した。投票率の低下と同様に、選挙で有権者から信任を受けない議員の増加は社会的な課題となっている。

 知事選は、前回も統一地方選だった十道県知事選のうち、六道県で前回より投票率が低下する見通し。前回を上回ったのは、自民党が分裂選挙だった四県だった。

 投票率が低い背景について、神戸大の砂原庸介教授(政治学)は「争点がはっきりせず政党でも選べない場合、有権者が候補者を知っているかがポイントになる。候補者を知らず、具体的な政策も分からなければ、投票に行かない人は増えるだろう」と話す。

 無投票当選の議員が増えている問題については「有権者は選挙の機会を奪われ、議員を自分たちの代表だと感じにくくなるのではないか。そのことが積み重なれば、議会の決定の正統性が揺らぐ」と指摘する。 (中根政人)

 

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