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大阪ダブル選 維新入れ替え奏功 府議単独過半 市議は届かず

記者会見を終え握手する、大阪市長選で当選を決めた松井一郎氏(左)と大阪府知事選で当選を決めた吉村洋文氏=7日夜、大阪市中央区で

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 「大阪都構想」の是非が争点だった大阪府知事、大阪市長のダブル選は、いずれも地域政党・大阪維新の会の公認候補が、自民党推薦の新人との一騎打ちを制した。前大阪市長吉村洋文(ひろふみ)氏と前府知事の松井一郎氏が、任期途中で辞職し、入れ替わって知事選と市長選に立候補するという奇策が奏功した。 (新開浩)

 松井氏は七日夜のテレビ出演で、大阪都構想に「民意は得られた」と述べた。吉村氏も記者会見で「(都構想への)再挑戦に踏み出したい」と語った。

 維新は同時に投開票された府議選(定数八八)で単独過半数を獲得した。市議選(定数八三)では単独過半数には届かなかった。他党の協力がなければ都構想を推進できない状況は選挙前と変わらなかった。大阪市を廃止して特別区を設け、府とともに行政機能を再編するには、府市両議会で制度案を可決し、大阪市で住民投票を再び実施する必要があるからだ。

 吉村、松井両氏は、ダブル選で示された「民意」を背景に市議会で他党に都構想への賛同を迫る構え。公明党の山口那津男代表は七日夜の記者会見で、都構想への対応について、府議選、市議選の結果を確認して「民意をよく見極めたい」と述べるにとどめた。

 維新は選挙前、府市両議会とも過半数に届かず、公明党に都構想への協力を求めたが、理解を得られず、府議選、市議選に知事と市長のダブル選をぶつける劇場型選挙に打って出た。

 これに対し、自民党は、府知事選と市長選に対立候補を擁立。公明党府本部が推薦した。野党の立憲民主党や共産党の地元組織も、都構想反対の立場から与党推薦候補を自主的に支援する異例の展開となった。

 維新はダブル選に続き、九日告示の衆院大阪12区補選にも勝ち、都構想に弾みをつけたい考えだ。

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