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福生・木更津市議選 オスプレイ 爆音、恐怖 国に届けて

 統一地方選後半戦の市区長選や市区議選が十四日、関東各地で告示された。舌戦の行方は暮らしに直結する。一票に託す思いを有権者に聞いた。

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 昨秋に米空軍輸送機CV22オスプレイ五機が正式に配備された米軍横田基地のある東京都福生市の市議選(定数一九)には二十三人が立候補した。候補者の訴えに耳を傾ける市民らの思いは複雑だ。

 「オスプレイが自宅上空を通過するときは、バタバタという大きな音とともに窓がガタガタ響く。落ちてくるのではと怖い思いをしている」と話すのは、市北部に住む登坂吉堯さん(74)。正式配備後から音に悩まされているといい「四十三年住んでいるが、これまでと違う爆音がする。市民の生活を守る意味で、私たちの思いをしっかり国や米軍に伝えてくれる人が議員になってほしい」と望んだ。

 市議選でオスプレイに触れる候補は少なく、あきらめの声も漏れる。市中心部に住んでいる高橋達也さん(75)は「(オスプレイ配備は)市民にとって迷惑」としつつ「国や米軍のことだから、地方議員が何を言っても変わらないだろう。それよりも、街が高齢化して活気がない。若い人が住みたいと思える街にするような政策に取り組んでほしい」と注文した。

 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)所属のオスプレイの定期整備拠点となっている陸上自衛隊木更津駐屯地のある千葉県木更津市も市議選(定数二四)に二十八人が立候補した。

 「オスプレイ整備にかかる費用を福祉に回してほしい」と話すのは駐屯地近くに住む無職佐久間泰子さん(83)。「事故も多いと聞くし、住宅の上を飛ぶなら許せない」と、オスプレイの基地拠点化に反対する候補者の当選を願った。

 同駐屯地には先月下旬、整備のため三機目が到着した。同市東中央の団体職員の男性(61)は「騒音とか、そばに住む人には大きな問題かも」としながら「国防は建前だけではできない。受け入れなければならない部分もある」と話した。 (萩原誠、山田雄一郎)

 

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