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なり手不足 薄れる関心 市長選、無投票3割 日立は5回連続

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 十四日に告示された統一地方選の八十六市長選では、十六道府県の二十七市で無投票当選が決まった。選挙を戦わずに市長になった候補者の割合は、31・4%に達した。茨城県日立市と北海道伊達市は、いずれも五回連続の無投票で、一九九九年を最後に選挙戦になっていない。子育てや福祉、教育など身近な行政に望む政策が多様化する中、有権者が候補者の政策を比較し、一票を行使する機会を失う形となった。 (村上一樹、横山大輔)

 日立市では、無所属の現職小川春樹氏(71)=自民、国民、公明推薦=が、前回に続き無投票で再選された。日立市は、日立製作所の創業の地である企業城下町。日本原子力発電東海第二原発(茨城県東海村)の再稼働に関し事前同意権を持つ。

 人口減少が続く北海道では五市長選が無投票だった。五市のうち三笠市の人口は約八千四百人。砂川市は約一万七千人、伊達市は約三万四千人。人口規模の小さな自治体ほど「なり手不足」が深刻化する傾向が改めて浮き彫りとなった。

 一方、市議選では二百九十四市のうち十一市の計百八十二人が無投票だった。総定数に占める割合は2・7%で、過去最高だった前回一五年の3・6%から減った。無投票となった市議選のうち、北海道歌志内市(定数八)は三回連続、佐賀県多久市(同一五)と大分県津久見市(同一四)は二回連続だった。

 統一地方選前半戦の四十一道府県議選でも、無投票だった議員の割合が過去最高の26・9%だった。

 河村和徳・東北大准教授(地方政治論)は「財源が限られる中、例えば子育て政策を充実させるのか、高齢者福祉を手厚くするのか、市長の裁量は大きい。有権者には選択する権利があるが、無投票だと行使できない。それが続けば政治への関心は薄れていく」と指摘した。

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