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女性出馬 決断を後押し 都内選挙講座から当選 市民団体の仲間が支援

東京都港区で8日に開かれた女性の政治参加を後押しする講座=パリテ・アカデミー提供

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 今回の統一地方選で、議員を志す女性の立候補を後押しする動きが各地で出ている。東京と福岡では市民団体などが相談に乗り、立候補、初当選に導いたケースもある。議員選挙で男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党に努力を求める「政治分野における男女共同参画推進法」の施行後、初の大型選挙。法の理念の実現に向け、市民レベルでも努力が続く。 (坂田奈央)

 統一地方選前半戦のさいたま市議選(定数六○)で初当選した佐伯加寿美さん(60)が立候補を決断したのは、一般社団法人「パリテ・アカデミー」の講座を受講したことがきっかけだった。佐伯さんは「選挙手法も学べたし、女性の人脈が広がって大きな後押しになった」と振り返る。

 パリテは、同法成立に尽力した上智大の三浦まり教授とお茶の水女子大の申〓榮(シンキヨン)准教授が、男女平等な政治の実現を目指して設立した。女性政治家に求められる資質、選挙活動の進め方といったノウハウを伝えるために「女性政治リーダー養成講座」や「選挙動画講座」を開催している。

 これまでに受講した八十数人の中から、佐伯さんのほか、後半戦の東京特別区議選に一人、一般市議選に二人が立候補した。パリテは夏の参院選にも二人が出馬すると見込む。

 福岡県では、市民団体が昨年四月に「女性のための政治スクール」を立ち上げた。ここで選挙活動のノウハウを学んだ七人が前半戦の福岡市議選(定数六二)に立候補し、三人が当選した。後半戦の二つの町議選には各一人が立候補した。

 福岡市議に初当選した成瀬穫美(えみ)さん(49)は、夫が単身赴任中で、長女(10)を知人に預けながらの選挙戦だった。不安は多かったが、一緒に政治スクールに通った仲間が支援に回ってくれた。「法の理念を実現するには一人一人の市民が決断するしかない」と語る。

 今回、前半戦の道府県議選、政令市議選では、女性の候補者に占める割合はいずれも過去最高だったが、それぞれ12・7%、21・2%にとどまった。

※ 〓は、王へんに其

 

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