東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 統一地方選2019 > 総合 > 記事一覧 > 記事

ここから本文
写真
 

どんな未来を選びますか 与野党対決区で聞く

 統一地方選後半戦は二十一日、投票が行われる。夏には参院選も待っており、統一選はその「前哨戦」と位置付けられることもあるが、有権者の思いはどうか。区長選が与野党対決の構図となった東京都中央、板橋、大田の三区で二十日、投票基準や一票に込める思いを聞いた。 (宮崎美紀子、杉戸祐子、渡辺聖子)

 午後四時ごろ、中央区の地下鉄人形町駅近く。選挙カーの上から区長選候補者が「商業を活性化します」と力説していた。足を止めた同区の会社社長南谷敏之さん(61)は「区政も国政も、基本的には党派で決める」と話した。板橋区長選候補者が演説したショッピングセンターにいた年配の女性も「区長選も参院選も党です、党!」と断言した。

 一方、国会の与野党の対立を、首長選に持ち込むことに違和感のある人も。区長候補者が二人とも訪れた板橋区の商店街「ハッピーロード大山」で買い物中の会社員清水紀文さん(40)は、「区長選で政党は気にしない。東京の自治体はお金があるので、国政政党に影響されず独自の政治ができると思う」と分析した。

 同区の会社員飯山哲也さん(50)も「区長選は候補者が身近で情報を集めやすく、参院選はそうはいかない。統一選を前哨戦と言う人もいるが、まったく別物」と言い切った。

 タワーマンションが並び、ビル風が吹く中央区の地下鉄勝どき駅付近で区長候補の演説を聞いた主婦(47)は、支持政党とは違う候補者に入れようと考えている。「候補者の政策を読み比べてピンときた。政策に偏りがないと思った。でも、参院選は政党で決めます」

 板橋区で買い物から帰る途中の早坂亜希子さん(38)は、この春、二人目の子どもを保育園に入れた。「以前は政党を意識したが、今は子ども向け政策が投票先選びの中心。高すぎない保育料で質も保つ、バランス感覚のある区長がいい。今晩、子どもが寝ついたら、選挙チラシを見て検討する」と話した。

 大田区長選の候補者が代わる代わる顔を出したJR蒲田駅前。自営業熊谷美知子さん(70)は、区長選候補者の演説に耳を傾けたが、不満顔だ。「区は校舎建て替えやエアコン設置など学校には力を入れるのに、他の公共施設の老朽化は見逃している。演説でも触れられなかった」。参院選では「消費増税で本当に国が豊かになるのか、ちゃんとチェックしてくれる人を選びたい」と語った。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】