今回の統一地方選では、各地で性的少数者(LGBT)だと公表した候補者が挑んだ。依然偏見も根強いが、理解は徐々に広がっている。水戸市議選ではレズビアンの候補が当選し「ありのままの私として立候補した結果が表れた」と喜んだ。
東京都渋谷区は二〇一五年、同性カップルを結婚に相当するパートナーと認める制度を創設。同様の制度を設ける自治体も増えてきた。今年三月には茨城県でLGBTへの差別禁止を明文化する県条例改正案が可決された。
行政の対応が進む一方で、無理解な言動は絶えない。水戸市議選で初当選した介護福祉士滑川友理(ゆり)さん(32)はレズビアン。あいさつに行った際「気持ち悪い」などと言われた。
昨年、自民党の杉田水脈衆院議員がLGBTカップルは「生産性がない」とする投稿を月刊誌に寄せ、批判されたことも記憶に新しい。滑川さんは「理解不足が大きな原因。心の性別や好きになる対象は人それぞれのはず」と強調。当選を決めた後、「少数派の気持ちを反映させ、人権問題に取り組みたい」と抱負を語った。
奈良県生駒市議選で落選した和泉美鈴さん(35)は戸籍上は男性だ。男性として国政選挙にも出馬したことがある。だが、自分の気持ちに正直でありたいと今回は女性としての通称名で戦った。
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