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千葉

候補者の横顔

2019年7月6日 紙面から

 参院選千葉選挙区(改選数三)には、現職新人合わせて六人が立候補し、街頭や集会などで支持を訴えている。六候補の主張や横顔を紹介する。 (村上豊)

 (届け出順)

◆石井準一(いしい・じゅんいち)さん 61 自民・現<2> 公

 カフェで人間観察

 「『決断する政治が大事』というのは、首相や大臣クラスの話。自分は実務、現場型の政治家としてやっていきたい」

 政策万能型の参議院議員が多い中、議運委員会の理事や予算委員会の筆頭理事を歴任、与野党協議に汗を流す。相手の意見をよく聞いて妥協点を見いだす政治姿勢を信条とする。

 茂原市出身で、大学生のとき、故浜田幸一衆院議員の迫力に引かれ、秘書を十一年。二十九歳から県議を五期二十年務めた後、全県を選挙区に戦おうと、二〇〇七年に参院選に出馬し、初当選。「県南部は過疎地域。東葛地域にイノシシやサルの被害はない」と地域間格差の是正に取り組む。

 趣味は人間ウオッチング。朝八時に都内のカフェで行き交う人の動きを見る。「こういう訓練がないと、調整可能な政治はできない」。休日には夫婦で美術館回りをする。

◆長浜博行(ながはま・ひろゆき)さん 60 立民・現<2> 国社

 剣道柔道の有段者

 「草の根民主主義を大切にした政治の原点に戻って選挙を戦いたい」

 一九九三年に三十四歳で日本新党から衆院に初当選。衆院を四期、参院二期。同じ松下政経塾出身で、四十年来のつきあいがある野田佳彦首相時代には環境相を務めた。社会保障制度と税の一体改革、地球温暖化対策を掲げる。

 新進、民主、民進、国民、立民と政党を移ったが、「私自身は何も変わらない。ただ、年を重ねると後輩の指導も仕事になる」。

 柔らかい物腰で語りかけるが、剣道二段、柔道初段。早大時代は応援部の吹奏楽部門に所属し、トロンボーンを吹いた。

 九三、二〇〇九年と二度、非自民政権への交代を経験。「二大政党がチェックし合い民主主義が成熟すると信じていたが、政治が変わらない。次の六年間で三度目を実現する方向にもっていかねばならない」

◆豊田俊郎(とよだ・としろう)さん 66 自民・現<1> 公

 早朝にランニング

 「人口減少や東京一極集中の問題がある中、仕事を地方に呼び込むことが大事」。二期目に向けて地方創生を第一に掲げ、政策をよどみなく語る。

 二十代前半に八千代市で土地家屋調査士の事務所を設けて以来、土地問題がライフワーク。開発許可などで政治家と関わるうち、「人に託すもんじゃない」と四十歳を過ぎてから政界入り。県議一期、八千代市長を三期務めた後、二〇一三年の参院選で初当選した。

 昨年成立した所有者不明土地に関する特別措置法では、議運の事務局長として議論を取りまとめた。「土地を資産と考える人が減っているので、それに対応した法律を作りたい」と新法案の作成に意欲を燃やす。

 体を動かすのが好きで、国会会期中は早朝に皇居周辺をランニング。八千代の自宅では九十代の母親を手伝いながら落花生や空豆を栽培する。

◆門田正則(かどた・まさのり)さん 72 安楽会・新

 社交ダンスが趣味

 「日本人は死について、あまり考えていない。医療技術により生かされている面もある。選択肢の一つとして制度があってもいい」

 七十歳を過ぎ、周囲で死に直面する機会が増えて安楽死制度の法整備の必要性を感じるようになった。十数年前、母親が八十五歳で亡くなる際、延命措置を講じるかを考えた経験も根底にある。

 佐賀県白石町の出身で、大学卒業後に空港関連サービス会社に就職し、労働組合の役員も経験。成田空港の開港で通勤に便利な船橋市に移り住んだ。一九九五年以降、船橋市議を三期務めた。

 過去にはサラリーマン新党から参院選比例代表に挑戦したほか、知事選や船橋市長選、今年四月の県議選に出馬。今回の参院選は十四回目の選挙戦となる。

 趣味は社交ダンスや茶道。長男長女は独立し、今は妻と二人暮らし。

◆浅野史子(あさの・ふみこ)さん 48 共産・新

 ギターを始め1年

 「安倍政権を退治する今回は、支持者だけの選挙から、いろんな方々との選挙になる。柔軟に取り組み、変わりつつある共産党を楽しんでいる」

 九回目の国政挑戦。街頭に立てば、歯切れのいい演説で聴衆を引きつける。消費税増税や改憲反対、大型公共事業削減を訴え、福祉や高齢者向け施策で、弱い立場の人たちに寄り添う姿勢で幅広い支持を願う。

 高専の学費を奨学金とアルバイトで賄った。外国では返済不要、無償の奨学金があると聞いて衝撃を受け、「政治を変えるしかない」と十八歳で共産党に入党。災害対策に関心があり、土木技師として木更津市役所に五年間務め、三十一歳で党専従になった。

 一男二女の母親で、子育てしながらの選挙戦となる。クラシックギターを習い始めて一年余。イギリス民謡「グリーンスリーヴス」がお気に入り。

◆平塚正幸(ひらつか・まさゆき)さん 37 N国・新

 音楽の動画も投稿

 「公共放送のNHKをなくす動きを、いま一度考えてほしい」

 受信料を払わない人の視聴を不可能にするスクランブル化を主張する政治団体「NHKから国民を守る党」の公認で出馬したが、反対の立場を取る。

 立花孝志代表が「賛成の候補だけではつまらない」と呼び掛けていたのに応じた。

 ユーチューブで動画の投稿を始めたのは二〇一四年から。当時は安保法制改正の反対運動などが盛んな時期で「安倍政権がおかしいという声に感化された」。事件報道やマイナンバー制度などさまざまな社会問題を取り上げ、自ら歌う動画も流している。

 大学を中退後、スイミングスクールのインストラクターを八年間経験したほか、洋服や雑貨をインターネットで販売。今はユーチューバーとして収益を稼いでいるという。船橋市で両親と三人暮らし。

主な政党の公約

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