候補者の横顔
2019年7月9日 紙面から
参院選群馬選挙区(改選数一)では、いずれも新人で、自民党公認の元県議清水真人さん(44)、立憲民主党公認の元大学准教授斉藤敦子さん(51)、政治団体「NHKから国民を守る党」公認の介護職員前田みか子さん(47)が論戦を繰り広げている。政治家を志したきっかけや目指しているものは何なのか候補者の横顔を紹介する(前田さんは横顔取材に応じていません)。
(届け出順)
◆清水真人(しみず・まさと)さん 44 自民新公
現場主義を国政に
「地域を良くしたい」と二十八歳で高崎市議に初当選。市議二期、県議二期の計十六年間、地方議員を務めた。国政への初挑戦に「現場主義でないと地方議員はできない。その姿勢を大切に、国政へ持って行きたい」と意気込む。
小学生のころに政治家に憧れ、大学時代、週一回ほど中曽根康弘元首相の事務所で電話番を経験し、その思いを強くした。市議時代は幼児教育や子育て環境の充実に取り組み、県議会では障害者スポーツの振興や県民の安全安心に力を入れた。「国政では大きな立場で国全体のことを考えなければならないが、誠心誠意努めたい」
家を出る二時間前に起床し、一時間入浴するのが日課。その際の読書が気分転換という。今は「中学一年の娘が陸上部に入ったので」と陸上競技にかける高校生を描いた佐藤多佳子さんの青春小説「一瞬の風になれ」を読み返す。仕事の関係で家で食事する回数も減ったが「その分、子どもと一緒に食べる時間を大切にしています」。 (石井宏昌)
◆斉藤敦子(さいとう・あつこ)さん 51 立民新国社
弱い立場の視点で
三人の子どもの母親で、助産師や看護師の顔も持つ。大学では准教授として、大勢の人たちの健康を守る人材を育ててきた。「人々の幸せに貢献したい思いがある。その手段は医療も政治も変わらない」
高校卒業後、医師になるべく医学部へ入学したが二十歳で中退。開業医の父親から勘当され、保険外交員や飲食店員などさまざまな職業を経験。三十歳の時、医療の道へと思い直し、看護学校に入り、大学でも看護を学んだ。
「困っている人がいたら助けたくなる性格」。バングラデシュでの医療支援や、東日本大震災に被災した岩手県へもボランティアに赴いた行動派だ。
信条は「愛こそすべて」。何をするにも、憎しみがあると対立してうまくいかないと感じているからだ。二十代の頃、シングルマザーで非正規雇用と、苦しい生活を強いられただけに、弱い立場の人たちの側に立つ。「人々の生活は政治に左右される。生活者の視点で暮らしを守りたい」と力を込める。 (池田知之)
◆前田みか子(まえだ・みかこ)さん 47 N国新
飲食店経営などを経て、社会福祉法人に勤務。「不公平なNHKの受信料制度について訴えたい」として「NHKから国民を守る党」から出馬。動画投稿サイト・ユーチューブや会員制交流サイト(SNS)を使い自身の政策や主張を訴えている。