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茨城

候補者の第一声

2019年7月5日 紙面から

 (上から届け出順)

◆田中健(たなか・けん)さん(53) 諸新

 受信料問題、訴えていく

 政治団体「NHKから国民を守る党」新人の田中健さんは、立候補届けなどの手続きに時間を費やしたため、演説日程を急きょ変更。当初、水戸駅前で計画していたが、茨城放送(水戸市)でのラジオ用政見放送の収録後に、同局前で演説を始めた。

 「党」が統一地方選で多くの市議区議を誕生させたことを挙げ「多くの人がNHKのあり方に不満を持っている。この思いを形にしなければならない」と主張。「隠れ税金の代表格」と呼ぶ受信料の問題などについて、精いっぱい訴えていくとして「ぜひ、われわれにご期待いただきたい」と力説した。

 選挙カーに、趣味のアニメなどのステッカーを付ける独特のスタイル。今後の活動に「インターネットを使った訴えが多くなると思う。ポスターをはっていく中で時々演説もと考えている」と語った。 (鈴木学)

◆海野徹(うみの・とおる)さん(70) 維新

 市長実績、改革に生かす

 日本維新の会新人の海野徹さんは、水戸市内のホテルで出陣式を開いた。馬場伸幸幹事長らの国会議員や、大部勝規高萩市長、三次真一郎常陸大宮市長らの姿もあった。

 那珂市長としての二期八年を振り返り、行政の事業仕分けをして財源を得た経験を踏まえ、「現時点での消費増税に反対。安易に国民に負担を強いてはならない」と語った。党が掲げる「身を切る改革」と行財政改革に取り組む考えを強調した。

 東海第二原発については「東日本大震災で被災した老朽原発。事故が起これば広域避難計画も作用せず、取り返しがつかないことになる」と指摘した。

 「この原子炉と再稼働を止めることが県民の安全を守り、地域の方々の安寧をつくり出す」として、再稼働の阻止と、日本のエネルギー政策の転換を図るとした。 (山下葉月)

◆小沼巧(おぬま・たくみ)さん(33) 立新社

 現実味ある原発ゼロへ

 立民新人の小沼巧さんは京成百貨店(水戸市)前でマイクを握った。逢坂誠二・党政務調査会長ら党幹部も応援に駆けつけた。

 経済政策では「日常の不満や不便を解決することで、新しいビジネスや雇用が生まれる。ボトムアップで一人一人が豊かさを実感できる経済政策を考えていこう」と呼び掛けた。

 安倍政権が、年金以外にも二千万円不足するとした金融庁審議会報告書を受け取らなかったことに触れ「ごじゃっぺ(いいかげん)だ」と批判。その上で「問題に向き合い、持続可能な福祉のために議論する姿勢が求められる」と指摘した。

 また、「原発発祥の地、茨城からリアリティーのある原発ゼロを実現する」と強調。経済産業省職員だった経験を生かし、廃炉後の雇用問題に取り組み、原発ゼロに伴うエネルギー事業で新しい道筋をつくる考えを示した。 (山下葉月)

◆大内久美子(おおうち・くみこ)さん(69) 共新 

 東海第二再稼働認めぬ

 共産新人の大内久美子さんは、水戸市内の商業施設前で第一声を上げた。東海第二原発について「古くて危険な原発を二十年も運転延長させることは、とても認められない」と再稼働反対を強調した。

 東京電力福島第一原発のような事故が起きれば、地元の農業も経済も元に戻せないとした上で「原発が初めて動いた茨城から、東海第二の再稼働ストップ、原発ゼロへのみなさんの思いをしっかり届ける」と力を込めた。

 消費税について「増税を中止させ、暮らしに希望の持てる取り組みを進める」と強調。改憲の動きがあることに「今の素晴らしい内容を持つ憲法こそ、政治に生かすべきだと考える」と護憲を訴えた。

 支援者約五十人が集まり、県市民連合共同代表の谷萩陽一弁護士と二見伸明元公明副委員長が応援に駆けつけた。 (水谷エリナ)

◆上月良祐(こうづき・りょうすけ)さん(56) 自現<1>公

 自公政権を柱に未来へ

 自民現職の上月良祐さんは午前十時から、水戸市内のホテルで出陣式に臨んだ後、水戸駅南口に移動して正午から「街頭第一声」を上げた。

 風雨が強まる中、傘も差さずに演台に立つと「(一期目の)六年間で医療・福祉や農林水産、国土強靱(きょうじん)化など、たくさんのことに取り組んできた。もっともっと頑張って働きたい」と支持を求めた。

 また、「政治は反対ばかりでは前に進まない」と野党候補をけん制。その上で「自公政権が柱にならなければ、日本の未来は開けない。現場を大切にしつつ、高い視点で先を見据え、今なぜその施策が必要なのか、丁寧に説明して物事を詰めていく必要がある」と訴えた。

 第一声には、支持者ら約六百人(陣営発表)が集まり、自民の岡田広参院議員や高橋靖・水戸市長らが応援に来た。 (越田普之)

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