5候補はどんな人?
2019年7月6日 紙面から
参院選(21日投開票)が公示され、5日も曇り空の中、政策を訴える候補者の声が街頭に響き渡った。今回、立候補したのは5人で、2議席を争う。5人が、どうして政治の道を志したのか、これまでどんな活動をしてきたのか、横顔を紹介する。
(届け出順)
◆田中健(たなか・けん)さん(53) 諸新
NHKの契約解除した
所属する「NHKから国民を守る党」は統一地方選で躍進し、知名度を上げた。「存在は知っていたが、多くの国民が期待していることを思い知らされた」。そんな団体の一助になりたいと公募に応募した。
東京都江戸川区出身。区議を五期経験し、区議時代は受動喫煙防止に力を入れた。ゆかりがない土地での出馬は、立花孝志代表の「茨城で頑張ってくれ」との一言で決まったという。
選挙での訴えはシンプルで「NHKをぶっ壊す」。受信料を払っていたが、立候補にあたり「契約を解除した」とも。
趣味はツーリングとアニメの聖地巡礼。ツーリングで北海道に行く際に大洗からよくフェリーに乗った。「ガールズ&パンツァー」の大洗をはじめ、アニメの舞台やモデルとして有名になった場所は一通り行っているという。東京で両親と三人暮らし。 (鈴木学)
◆海野徹(うみの・とおる)さん(70) 維新
原子力安全協定に尽力
那珂市長として、日本原子力発電東海第二原発の再稼働の際、立地の東海村と三十キロ圏の那珂市など計六市村の事前了解を必要とする全国初の原子力安全協定の締結に尽力した。
東京電力福島第一原発事故の翌年、構内や被災地に入った。悲惨な状況を目の当たりにし、「事故が起きると取り返しがつかなくなる」と痛感し、原発問題に力を入れた。
二〇一六年度には、再稼働の是非について市民の声を聞くため、アンケートを取り、約65%が反対だった。これらを踏まえて昨秋、六市村で初めて再稼働反対を表明した。「東海第二の再稼働に徹底的に反対する。国は原発を終わりにして、再生エネルギーにかじを切る時だ」。市長経験を生かして国政に挑む。
趣味は、歴史上の人物の墓など史跡を巡ることだという。那珂市内で妻と二人暮らし。 (山下葉月)
◆小沼巧(おぬま・たくみ)さん(33) 立新社
官民で実務経験武器に
政治の世界は、小学五年時に学級委員長になり興味を抱き、大学で憧れの仕事になった。清真学園(鹿嶋市)ラグビー部で培った熱い魂と根性、官民で磨いた政策論、経営最前線の実務経験を武器に挑戦する。
旧大洋村(現鉾田市)出身。早稲田大卒業後は経済産業省入り。その後は、外資系コンサルティング会社で経験を積んだ。
東日本大震災から原発ゼロの考えに傾き、東海第二原発の再稼働も避難計画やテロ対策、県民の理解などの観点から反対する。
早大時代、政治家を数多く輩出する雄弁会に所属、一日一冊読み、一日一回の演説練習で鍛えた。戦前、戦中の活躍した中野正剛、斎藤隆夫に私淑。「公論を巻き起こす演説ができる政治家に憧れる」という。
趣味はラグビー観戦や読書、格闘ゲームも。家族は両親と祖母、妹。水戸市で一人暮らし。 (鈴木学)
◆大内久美子(おおうち・くみこ)さん(69) 共新
保育所問題から政治へ
水戸市議と県議で地方議員歴は計四十年というベテランだ。勤めた無認可の保育所を認可にするために取り組んだことがきっかけで、「母子の願いを市政に」と二十五歳で市議選に挑戦したことが原点だった。
生まれは福島県で五人きょうだいの真ん中。両親とも働いているのに、ぎりぎりの生活に「一生懸命働く人が、安心して暮らせる社会にしたい」との思いから、共産党に入った。茨城大一年の十九歳だった。
「六十九歳にして面白がっている」という今回の挑戦。「社会的に弱い立場の人に光を当て社会保障を改善するなど、暮らしに希望が持てる税金の使い方を変えることが一つ。そして東海第二原発を再稼働させない。これは県民の多数の声です」と力を込める。
趣味は、ウオーキングと、映画鑑賞。子どもたちは独立し現在は夫と二人暮らし。 (鈴木学)
◆上月良祐(こうづき・りょうすけ)さん(56) 自現<1>公
この6年で基礎学んだ
初当選した二〇一三年から、この六年を「下働きを一生懸命やり、党の中で働く基礎を学んだ」と振り返る。農林水産大臣政務官を務めたほか、国会で地域経済の活性化など、約五十回質問し、「制度や予算を動かせた」と自負する。
政治家に転身する前は、総務省から県庁に出向し、総務部長や副知事を歴任。全国で初めてとなった県住宅供給公社の破産の処理や、東日本大震災の復興に奔走した。政治家と執行部の二つの経験を踏まえ「(執行部に届くまでに)現場の声は何重にもろ過され、きれいな政策になっていたことに気が付いた」。今はたくさん話を聞き、「役所に現場の雰囲気や相場観をしっかり伝えるようにしている」と話す。
趣味は加圧トレーニングで鍛えること。「きついけど、短時間でリラックスできる」。水戸市内で妻と二人暮らし。 (山下葉月)