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茨城

「移動投票所」有権者の元へ 高萩、神栖など県内初の試み

2019年7月15日 紙面から

移動期日前投票所を訪れた有権者ら=高萩市で

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 参院選で投開票日前の最後の日曜となった十四日、候補者らは各地で支持を訴えた。一方、期日前投票はすでに始まり、高萩市や神栖市などでは、投票所に行くのが難しい人の元へ赴く移動投票所を導入した。県内では初めての試みで、投票の機会が増えることや、投票率の向上につながることが期待される。 (水谷エリナ)

 高萩市選挙管理委員会は十三、十四日に、ワゴン車で市内の山間部にある計十カ所をまわり、集会所や寺の駐車場などで期日前投票を受け付けた。

 有権者は車の前に設置されたテントで受け付けをした後、車内へ。後部座席に座る選挙管理者と立会人が見守る中、運転席の後ろに取り付けられた投票記載所で投票用紙に記入した。

 選管によると、市の約八割が山間部で、集落が点在している場所が多い。投票日当日の投票所は大字の地区ごとに一カ所しかないため、高齢者が自力で投票所へ行くのが困難なケースがあった。

 十四日の午後一時までに五十人が利用。「久々に投票できた」と話す人もいたという。この日、投票に訪れた同市の農業松本一郎さん(85)は「いつもは車で投票所に行くけど、今日は歩いて来られて便利だった」と話した。

 神栖市は七日、路線バスを利用した移動期日前投票所を開設。少しでも投票率を上げようと商業施設二カ所を巡り、約百五十人が利用した。市選管によると、一昨年の衆院選や前回の参院選の投票率は県内で最も低かった。

 北茨城市も路線バスを利用し、十、十一日に期日前投票を市内五カ所で受け付けた。六月の市長選で投票率が伸び悩んだ地区や高校などに赴いた。

車内に設置された投票記載所と投票箱

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