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憲法の檻、壊さぬライオン選んで 桐蔭学園で弁護士が講演

2019年6月29日 紙面から

縫いぐるみを使って「ライオンと檻」の関係を説明する楾弁護士=横浜市青葉区で

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 7月4日公示の参院選を前に、有権者になったか、年度内になる高校3年生に主権者としての心構えなどを説く講演会が27日、横浜市青葉区の桐蔭学園であった。男子部と女子部、中等教育学校の計900人が、ひろしま市民法律事務所(広島市)の楾大樹(はんどうたいき)弁護士の話に耳を傾けた。

 楾弁護士は自著「檻(おり)の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし」を基に、政権などの権力者をライオン、憲法を檻に例えて解説した。皆が自由にしていたら個人同士の衝突が避けられず、力がある仲裁者としてライオンを例示。さらに「(権力者が)暴れないようにするために檻、つまり憲法がある」と説明した。

 その上で「ライオンが檻を壊さないよう、周りは常に注意して見ていないといけない」と政治に関心を持つよう呼び掛けた。また、「檻を壊さないライオンを選ぶのが選挙だ」と訴え、有権者がよく考えて投票する必要があると説いた。

 「動物園で檻に注目する人は少ない。でも檻がしっかりして安全だから動物園に行ける」と、政治に関心を持ち続ける大切さも指摘。憲法12条にある「不断の努力」に言及し、有権者としての自覚を促した。

 7月12日で18歳になる山崎健翔(けんしょう)さん(17)=川崎市中原区=は「分かりやすい例えだった。投票に行くことは決めていたけど、新しい観点をもらった」と語り、内田隆一朗さん(18)は「権力が暴走しないように、という選挙の重要性が分かった。候補者一人一人の考え方をよく調べて投票したい」と感想を述べた。 (志村彰太)

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