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神奈川

主な候補者の横顔(上)

2019年7月6日 紙面から

 参院選神奈川選挙区(改選数四)には十四人が立ち、二十一日の投開票に向けて県内各地で支持を訴えている。主な候補者の横顔を二回に分けて紹介する。 (志村彰太)

 (届け出順)

◆乃木涼介(のぎ・りょうすけ)さん(54) 国民・新

 俳優、表現力では負けぬ

 大学時代にスカウトされて俳優になった。すぐにドラマ出演を重ねたが、「実力が伴わず、仕事がなくなっていった」。小劇場の公演などでコツコツと活動を続け、ドラマ出演が再び増えだした頃に政界を目指した。「今の政治のままで、未来に希望は持てるのか」と強い危機感を覚えたのがきっかけだった。

 最初の挑戦は二年前の衆院選。旧民進の再編に巻き込まれて活動拠点の大阪から急きょ、神奈川に移ることになり、満足な活動ができなかった。「田舎も都会もある神奈川は日本の縮図」と思い、落選後も残って活動してきた。

 二度目の国政選に挑む今回、「表現力では負けない」と、俳優の強みを生かして有権者に思いを伝える。

◆佐々木(ささき)さやかさん(38) 公明・現<1>自

 猫動画を見て心癒やす

 二〇一一年の東日本大震災後に弁護士として被災者の法律相談を受けた際、「既存の法律では対応できないことがある」と痛感し、政治家になった。初当選してからは「生活者の目線が大事」と考え、有権者に直接会うなどして要望を吸い上げるのを重視してきた。

 この六年、休みはほとんどなく「移動中でも仕事をしている」。数少ない楽しみは、甘い物を食べ、スマートフォンで大好きな猫の動画を見ること。寝そべっている猫の姿などに癒やされている。

 好きな言葉は「根性」「忍耐」。司法試験に一発合格する秀才がいる中、粘り強く挑戦して弁護士資格を取った。「応援してくれる人に応えたい気持ちは、今も昔も変わらない」

◆相原倫子(あいはら・りんこ)さん(58) 社民・新

 笑顔絶やさず前向きに

 大学時代に交通事故で父を亡くし、学費の問題で中退。その後、フリー記者を経て女性の悩みを聴く相談室を運営してきた経験から、「一般市民の感覚は、恵まれている政治家には分からない。市民目線を生かす政治が必要」と強く感じ、出馬を決意した。

 相談室で受ける悩みの内容が近年、変わった。離婚や子育ての問題が多かったのが、不眠や孤独、「交際中の男性からプロポーズされない」などと訴える人が増えた。「お金と時間、心に余裕がなくなっているからだ」。解決には政治の力が必要と考えた。

 貧困、離婚も経験し「人生ろくなことがなかった」。それでも笑顔を絶やさず、「無謀なくらい前向き」な性格で選挙戦に挑む。

◆壱岐愛子(いき・あいこ)さん(33) 幸福・新

 「いつもイキイキ」胸に

 政治家を志したきっかけは二〇〇八年のリーマン・ショック。新卒で就職したばかりの会社で、同僚が次々にリストラされていった。社会問題が実生活に影響していると感じ、一三年に退社して政治の世界に目を向けた。参院選は三年前に全国最年少で立候補したのに続いての挑戦となる。

 人を笑わせるのが好き。普段の活動で使うたすきには、政治家がよく使う「本人」ではなく、「いつもイキイキ」と書かれている。「見た人が笑ってくれる。まずは私のキャラを知ってもらい、そこから政治への関心につなげたい」

 中学・高校では剣道に打ち込み、高校時代は都大会で準優勝した。体力に自信があり、「体格の割に機敏な動き」で選挙を戦う。

◆牧山弘恵(まきやま・ひろえ)さん(54) 立民・現<2>

 子育て協力精神生かす

 二人の子の母として二期十二年、自身の体験に基づいて政策を提案してきた。「幼児教育・保育の無償化が決まったが、病児保育もセットで考えないといけない」との持論を選挙戦で展開する。

 米国弁護士時代、貧困などで困難を抱える人たちを助ける慈善活動をした。寄付するだけでは満足できず、「もっと世の中のためになることをしたい」と、二〇〇五年に旧民主の候補者公募に応じた。

 当時は子どもが二人とも小さく、「前に抱っこ、後ろにおんぶして演説した」。

 多忙でも子育てをおろそかにしないよう心掛ける。「ママ友と助け合って育てている」。隣人と連携する精神は地方議員らと協力する姿勢に生かされている。

主な政党の公約

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