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神奈川

模擬投票に向け事前授業 架空候補の公約 意見交換

2019年7月17日 紙面から

生徒の議論を見守る古賀教諭=川崎市中原区で

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 県教育委員会は二十一日の参院選投票日までに、県立全ての高校、中等教育学校、特別支援学校で模擬投票を実施する。このうち、三年後に新設される社会科の科目「公共」の研究開発校に選ばれている新城(しんじょう)高(川崎市中原区)で十六日、三年生対象の事前授業があり、生徒は主権者としての心構えを学んだ。十九日の模擬投票で、実際に神奈川選挙区で出馬している候補者に票を投じる。 (志村彰太)

 担当の古賀禄(よし)太郎教諭は、いずれも架空の「新城国」の経済・人口データや候補者五人の公約などを載せた資料を事前に配布。生徒は支持する候補を選んだ上で、授業に臨んだ。

 生徒は四〜六人のグループに分かれ、各公約の利点と課題を議論。「子育てにはお金がかかる。消費税を上げたら少子化は解決しない」「今後、労働者の人口が減って所得税収が減るから、消費増税は妥当」などと意見を交わした。

 五候補の公約について、古賀教諭に課題を問われたある女子生徒は「子どもが増えた家庭を減税する政策は、子どもを産めない人への配慮が必要」、男子生徒は「議員報酬の削減はなり手不足につながるかも」などと考えを発表した。

 最後に古賀教諭は「模擬投票をやる目的は、世の中の課題を自分の問題として捉えてほしいから」と語った上で「政策の善しあしは、皆のような年代やお年寄りなど、どの視点に立つかで変わってくる。どんな基準で投票するか、決めておいて」と述べた。

 田中詩織さん(18)は「選挙は難しい印象があったけど興味を持てた」、木下優作さん(17)は「意見が異なる人と議論して視野が広がった」、山本脩真(しゅうま)さん(17)は「年齢にかかわらず一票は同じ重み。若い世代も自分の考えがあり、投票すべきだと思った」と感想を述べた。

主な政党の公約

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