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埼玉

候補者の横顔(中)

2019年7月7日 紙面から

◆矢倉克夫(やくら・かつお)さん44 公明・現<1>自

 経験生かし政策実現を

(届け出順)

 「一期目は勉強しながら悪戦苦闘だった。二期目は経験を生かして今まで以上に政策を実現したい」。論理を重視する弁護士時代とは違った合意形成の難しさを実感した一期目。与党議員としてさまざまな立場で議論して培った経験をアピールしながら、二期目を目指す覚悟をそう語る。

 印象的だったのは法務委員会理事として携わった「ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策法」。自民を含む各党の思惑がぶつかり合う中で反対派から怒号を浴びたことも。調整に奔走し続け、与野党の賛成で法案が成立したため「思い出深い仕事だった」と振り返る。

 経済産業省に出向中の二〇一一年、東日本大震災当時の民主党政権の政治主導のあり方に疑問を感じ、政治家を志した。趣味は自転車、映画観賞、旅行。愛読書は吉川英治の作品で、座右の銘も吉川の「我以外皆我師(われいがいみなわがし)」。 (藤原哲也)

◆沢田良(さわだ・りょう)さん39 維新・新

 SNSで情報発信に力

 三年前に続いて二度目の挑戦。前回は公示一カ月前の出馬表明で準備不足だったが、今回は三年間かけて各地域を回ってきた。会員制交流サイト(SNS)を使った情報発信にも力を入れ「県内でも維新の認知度は上がっている」と話す。

 実家は生活が苦しく、中学三年生からアルバイトをして生活費を家に入れた。大学卒業後に両親の飲食業を継ぎ、経営を黒字化。外食のコンサルティングもするようになった。

 転機は東日本大震災。当時手掛けていた無農薬農場は、放射能の影響を懸念する風評被害で閉鎖に追い込まれた。正しい情報を得ることの重要性を痛感し、維新政治塾の門をたたいた。

 休日も新しい業態の飲食店を調べたり、他党の演説を聴いたり。「インプットできることを常にやるのが趣味」。筋トレにも励み、ベンチプレスは百十二キロを挙げる。 (井上峻輔)

◆熊谷裕人(くまがい・ひろと)さん57 立民・新

 地方の現場感覚 国会に

 枝野幸男党代表の右腕として地元活動を支え、立憲民主党にも発足時から関わってきた。その枝野代表に請われる形で、国政への挑戦を決意した。

 小学校の卒業文集に、将来の夢を「政治家」と書いた。民間企業での勤務や国会議員の秘書を経て、今春までさいたま市議(大宮区選出)を三期十二年間、務めた。

 力を入れてきたのは児童虐待対策。虐待の兆候を早めにつかむための提案を続けた。近年は国も対策に力を入れ始めた中で「地方の現場の肌感覚を国会に持ち込みたい」と意気込む。

 「議員らしくないと言われるのが勲章」と話し、地元での活動時はジーパンにTシャツ姿。小学校での絵本の読み聞かせや、地域での紙芝居の上演も長年続けてきた。趣味はジョギング。さいたま国際マラソンも二度完走している。 (井上峻輔)

主な政党の公約

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