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自民党の公約詳報

2019年6月8日 紙面から

 自民党参院選公約「日本の明日を切り拓(ひら)く。」の詳報は次の通り。 

 【安倍晋三首相(党総裁)コメント】新しい時代の日本を創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。国民と共に、新しい令和の時代を切り拓く覚悟です。

 (1)外交・防衛

 【外交】世界の真ん中で力強い日本外交▽二十カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)議長国として、貿易や環境など世界の課題解決に向けて結束を促す▽自由で公正な貿易、誰もがアクセスできる良質なインフラ、信頼あるデータ流通をはじめ、二十一世紀の新たなルール作りを主導▽北朝鮮に対し制裁措置の厳格な実施とさらなる制裁の検討を行い圧力を最大限に高め、関係国や国連に対する働き掛けを強化する。核・ミサイル開発の完全な放棄を迫り、あらゆる手段に全力を尽くして拉致被害者全員の即時一括帰国を目指す▽歴史認識を巡るいわれなき非難への断固たる反論をはじめ、韓国、中国との課題に適切に対処▽わが国固有の領土である北方領土問題の解決に向け、ロシアとの平和条約締結交渉を加速。

 【安全保障】日米同盟をより一層強固にし、揺るぎない防衛力を整備することで、領土、領海、領空を守り抜く▽新たな防衛計画の大綱に基づき、宇宙・サイバーなど新領域における自衛隊の体制を抜本的に強化▽日米安保体制の抑止力を維持しつつ、沖縄などの基地負担軽減のため、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設や在日米軍再編を着実に進める。米国政府と連携して事件、事故防止を徹底し、日米地位協定はあるべき姿を目指す▽弾道ミサイル対処能力を進化。

 (2)強い経済

 【経済再生・成長戦略】アベノミクス六年で、有効求人倍率が初めて全ての都道府県で一倍超え▽強い経済で所得を増やす。政策を総動員し、国内総生産(GDP)六百兆円経済の実現▽人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)を活用し、生産性の向上と、農業、医療、教育などでイノベーションを創出▽第四次産業革命で最大の資源となる「データ」を利活用できる環境を整備するため、司令塔として「デジタル市場競争本部(仮称)」を設置。

 【中小企業】中小企業・小規模事業者を、固定資産税ゼロなど、かつてない制度で応援▽下請けいじめの撲滅、適切な利益分配の実現に向け、産業、業種ごとに取り組みを強化▽深刻な人手不足に対応するため、外国人材受け入れを進める。

 【エネルギー】原子力規制委員会によって規制基準に適合すると認められた場合には、立地自治体関係者の理解と協力を得つつ、原発の再稼働を進める。

 【財政・税制】「デフレ脱却・経済再生」「歳出改革」「歳入改革」の三本柱の改革に取り組む▽全世代型社会保障構築や財政健全化に向け、十月に消費税率を10%に引き上げる。軽減税率実施に当たっては、混乱が生じないよう万全に準備。

 【行政改革】統計データの信頼回復を果たすべく、政府統計体制を強化。

 (3)安心社会

 【女性活躍】女性に対する就労支援や政治への参画を進める▽男性の意識改革と職場風土の改革を促し、家事・育児を適切に分担する社会を推進▽女性に対するあらゆる暴力を根絶▽旧姓の幅広い使用を認める取り組みを進める。

 【社会保障・子育て】児童相談所の体制強化により児童虐待の根絶を図る▽交通事故や痛ましい事件を踏まえ、子供の安全対策に徹底的に取り組む▽働き方改革の実現や最低賃金の全国加重平均千円を目指す▽人生百年時代に対応した年金制度の構築に向けて、厚生年金の適用拡大を進めるとともに、受給開始時期の選択肢の拡大、私的年金の活用促進を進める▽待機児童ゼロに向けて「子育て安心プラン」を前倒し▽認知症基本法案を制定。

 【環境】海洋ごみ対策を推進し、二〇三〇年までに使い捨てプラスチックの25%排出抑制を目指す。

 (4)地方創生

 【地方創生】若者の地方での起業、就職に最大三百万円支給▽自動走行、遠隔医療、ドローン宅配を地方から展開。

 【農林水産業】環太平洋連携協定(TPP)の下でも農業者が安心して再生産に取り組めるよう全力で応援▽和牛の受精卵と精液が国外に持ち出された事案に鑑み、和牛を守るため法改正を含めて制度の見直しを検討▽スマート農業を推進。

 【観光】三〇年の外国人観光客六千万人を目指し地域の観光資源を磨き上げる。

 (5)復興・防災

 【復興の加速】東日本大震災からの復興は、二〇年度までにやり遂げる▽福島の復興は、国が前面に立つ。

 【防災・減災、国土強靱(きょうじん)化】七兆円規模の国土強靱化のための三カ年緊急対策を進める▽電力、道路などインフラ強靱化に取り組む。

 (6)憲法改正

 「現行憲法の自主的改正」は結党以来の党是。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本原理は堅持し、初めての憲法改正への取り組みをさらに強化▽改正の条文イメージとして「自衛隊の明記」「緊急事態対応」「合区解消・地方公共団体」「教育充実」の四項目を提示▽憲法改正に関する国民の幅広い理解を得るため、党内外で議論をさらに活発に行う▽衆参の憲法審査会で、国民のための憲法論議を丁寧に深めつつ、憲法改正原案の国会提案・発議を行い、国民投票を実施し、早期の憲法改正を目指す。

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