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<くらしデモクラシー>「表現の自由守る」全国ネット 市民団体、来月設立「忖度に立ち向かう」

2019年6月19日 朝刊

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 「表現の自由」を脅かす行政の自主規制などに連携して対抗しようと、市民や有識者ら約七十人が七月、全国ネットワークを発足させる。表現の自由が侵害される行為の情報をウェブサイト上で集め、解決に向けて連携。定期的に講演会や映画会などを開き、取り組みを市民に広くPRする。

 表現の自由を巡っては、二〇一四年六月にさいたま市の公民館が、憲法九条について詠んだ市民の俳句の月報への掲載を拒否する問題が起きた。「政治的中立性を害する」というのが行政側の理由だったが、一八年十二月に最高裁で市民側の勝訴が確定した。

 だが、その後も行政側の「自主規制」は全国各地で相次いだことから、九条俳句問題で当事者団体の代表を務めた武内暁(さとる)さん(70)らが「問題を繰り返させず、権力への忖度(そんたく)や息苦しさに立ち向かおう」と、同じような問題を抱える全国の人々に「表現の自由を市民の手に 全国ネットワーク」の設立を呼び掛けた。

 賛同人には元上智大教授の田島泰彦さんや武蔵大の永田浩三教授、ルポライターの鎌田慧さんらが名を連ねている。武内さんは「さまざまな意見表明の場を支援することこそが行政の役割なのに、中立の意味を履き違えている自治体もある。全国の人たちと問題を共有し、考えていきたい」と話している。

 設立集会を七月十三日午後一時半から東京都文京区の区民センターで開く。賛同人で武蔵野美術大の志田陽子教授(憲法学)が基調講演し、パネルディスカッションや現地報告などがある。参加自由(資料代千円)。

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