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改憲どう判断 東京の候補者「許さない」「促進」言及せず

2019年7月4日 紙面から

 参院選が公示された四日、東京選挙区では全国最多の改選六議席を争う首都の激戦が始まった。争点になっている改憲と年金問題について、マイクを握った主要候補の訴えを聞いた。

 立民新人の塩村文夏さん(41)と山岸一生さん(37)は、そろって新宿駅東南口で第一声を上げた。塩村さんは年金問題で若者を意識し「遠いことだと思っているかもしれないが、二十五年先に六万円の年金でどう暮らすのか。貯蓄ゼロ世帯も増え、安心して年を取れるはずがない」と強調した。

 山岸さんは「お年寄りや若者は、年金が少ないことや仕事に就けないのを、自分たちのせいにしなければならない生きづらさを感じている。まっとうな政治に変えていこう」と訴えた。二人とも改憲には触れなかった。

 自民現職の武見敬三さん(67)は中央区で演説。元気な高齢者が働き続けて所得を得る必要性を指摘し、「若い世代の負担を軽減し、好循環社会を目指さなければならない」と語った。改憲には触れなかった。

 公明現職の山口那津男さん(67)は党代表として神戸市で街頭演説。「年金、医療、介護、子育ては社会保障の四つの柱」とし、年金を含めても所得が低い人に給付金を支払う制度を十月に導入するとアピールした。改憲には触れなかった。

 国民新人の水野素子さん(49)は都内のJR吉祥寺駅北口で「政府は市民が必要としている年金、育児、介護、医療にお金を増やしてくれない。高い戦闘機を言い値で買って借金をつくっている。市民が政治を取り戻す必要がある」と訴えた。改憲には触れなかった。

 共産現職の吉良佳子さん(36)は新宿駅西口の演説で憲法に触れ「同性婚など十人十色の人生に寄り添うことこそ、憲法が生きる政治。改憲なんて許さない」と声を張り上げた。年金問題では「年金だけで暮らせる老後、減らない年金を実現しよう」と呼びかけた。

 維新新人の音喜多駿さん(35)は北区のJR十条駅前で「教育無償化を憲法に書き込む。憲法議論を促進させる」と改憲に言及。年金を巡っては「今の政策は完全に時代遅れ。負担を先送りにしている」と、積み立て方式への移行を訴えた。

 社民新人の朝倉玲子さん(60)は新宿駅東南口で「命を守るために日本国憲法を守る」と主張。年金について「病気になっても年を取っても安心して暮らせるよう制度を見直し、充実させる」と述べた。

 自民現職の丸川珠代さん(48)は港区で演説し、二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの成功などを訴えた。れいわ新人の野原善正さん(59)は新宿駅西口で沖縄の基地問題などに言及。いずれも、改憲と年金は取り上げなかった。

 無所属元職の野末陳平さん(87)も東京選挙区に立候補を届け出た。

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