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7与野党、論戦白熱 挙手で賛否 ルールに首相いらだち

2019年7月4日 朝刊

挙手による賛否を問う記者の質問に、一人だけ手を挙げない自民党総裁の安倍晋三首相(中央)=3日、東京都千代田区の日本記者クラブで

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◆LGBT権利など「印象操作だ」

 安倍晋三首相は三日の日本記者クラブでの討論会で、女性・女系天皇や原発の新増設、選択的夫婦別姓、性的少数者(LGBT)に関して賛否のみを相次いで聞かれ「印象操作の意図を感じる」といらだちを見せた。

 質問は、討論会の最終盤に、クラブ側が出席した各党首らに挙手を求める形で行われた。

 「女性天皇を認めてもいいか」の問いに、首相は挙手せず「大事な、大事な、大事な質問で、党として今議論中だ。国民に説明しないと誤解を招く」と口を挟んだ。「原発の新増設を認めない」の問いは首相だけが手を挙げなかった。

 「選択的夫婦別姓を認めるか」「LGBTへの法的権利付与を認めるか」は、野党五党が手を挙げて賛意を示し、首相と山口那津男公明党代表は手を挙げなかった。

 すると首相は、表情をゆがめて「単純化してショーみたいにするのはやめた方がいい」と指摘。「今の段階で答えられなくても、ただちにノーではない」と釈明した。 (上野実輝彦)

◆首相以外は「原発新増設認めない」

 原発・エネルギー政策を巡り、立憲民主党の枝野幸男代表は野党が昨年国会に共同提出した「原発ゼロ基本法案」の審議に応じない与党の姿勢を批判した。安倍晋三首相は、原発停止で電気料金が上昇し、一般家庭や中小企業の負担が増えているとし「原発ゼロは責任あるエネルギー政策とは言えない」と反論した。

 枝野氏は「東京電力福島第一原発事故後の社会状況の変化で、原発ゼロはもはやリアリズムだ」と訴えたのに対し、首相は温暖化対策やエネルギー自給率向上などの課題を挙げ「原発ゼロを直ちに実現するのは責任ある姿勢とは言えない。考え方が違う」と強調した。

 原発新増設への姿勢を問われると、首相を除く全員が「新増設は認めない」と挙手。公明党の山口那津男代表は「(原子力規制委員会の)基準を満たし、地域住民の理解を得られれば再稼働は認めるが、新増設は基本的に認めない立場だ」と説明した。挙手しなかった首相は「自民党、政府も現時点で新増設は想定していない」と述べた。

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