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きょう公示 改憲問う、7党首ら討論会

2019年7月4日 朝刊

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 四日の参院選公示に先立ち、与野党七党の党首らは三日、東京・内幸町の日本記者クラブで討論会に臨んだ。自民党総裁の安倍晋三首相は、改憲の国会発議に必要な三分の二以上の勢力確保に向け、国民民主党の一部議員にも賛同を呼び掛ける意向を示した。消費税率を十月に10%に引き上げた後、自身の在任中に再増税する考えはないと明言した。野党は年金制度を中心に安倍政権の社会保障、経済政策を追及した。 (清水俊介)

 首相は「自衛隊の存在を憲法に明確に位置付けることは防衛の根本だ」と九条改憲に重ねて意欲を表明。与野党で改憲発議を目指す考えを示した上で「日本維新の会にもお願いしたい。国民民主党の中にも憲法改正に前向きな方々がいる。そういう中で合意を形成していきたい」と述べた。

 二十一日投開票の参院選で、与党と維新に一部の無所属議員を加えた「改憲勢力」が三分の二を下回った場合、国民の一部議員を巻き込んで勢力の再構築を図る考えを示した発言だ。国民の玉木雄一郎代表は討論会で憲法に関し「しっかり議論していこうという立場だ」と述べた。参院選公約では自衛隊を九条に明記する改憲には反対している。

 公明党の山口那津男代表は「与野党を超えて議論を深め、国民の認識を広めることが大事」と指摘した。維新の松井一郎代表は九条改憲について「真正面から議論する」と述べた。

 立憲民主党の枝野幸男代表は、国会の憲法審査会に関する与党の姿勢を「結論ありきで進めようとしている」と批判。「違憲の安全保障法制を現行憲法に適合した形に戻さないと議論のしようがない」と語った。共産党の志位和夫委員長、社民党の吉川元(はじめ)幹事長も安保法廃止を唱えた。

 消費税率に関し、首相は「安倍政権でこれ以上引き上げることは全く考えていない」と表明。「今後十年くらいの間は上げる必要がないと思っている」とも述べた。野党各党は税率10%への引き上げに反対した。

 年金制度を巡っては、枝野氏は「年金不安に正面から取り組むことが政治に求められている」と指摘。夫婦で老後に二千万円の蓄えが必要と試算した報告書の受け取りを拒み、年金財政の健全性を調べる財政検証の公表を先送りした安倍政権を批判した。

 首相は参院選の目標議席に関し「非改選議席も含めて与党で過半数を確保したい」と自公両党で五十三議席を目指す考えを示した。

 参院選は、百二十四議席を争い、三百六十人超が立候補を準備している。

討論会に臨んだ7党首ら(上から勢力順)=3日、東京都千代田区で(坂本亜由理撮影)

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