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「日銀短観」「老後資金」「日米安保」新たな動き 論戦テーマに

2019年7月5日 紙面から

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 主要政党が参院選公約を発表した後も、消費税や年金、外交を巡る新たな動きが次々と起きている。いずれも、くらしや国の基本政策に直結するものばかりで、与野党の論戦のテーマになっている。

 今月一日に日銀が発表した六月の企業短期経済観測調査(短観)をきっかけに、消費税率10%への引き上げの是非を巡る議論は一層熱を帯びている。

 短観が示した、企業経営者が景気をどう感じているかを表す指数は、二期連続で悪化した。野党は景気への悪影響を指摘し、増税凍結や中止の主張を強めている。一方、与党は子育て支援や教育無償化の財源として、予定通りの引き上げの必要性を訴えている。

 年金を巡る動きは、国会終盤から続いている。先月公表された金融庁審議会の報告書は、老後に二千万円の蓄えが必要とした。今月二日には、高齢者世帯の半数以上が働いて得られる収入がなく、全所得を公的年金・恩給に頼る実態が厚生労働省の調査で分かった。老後のくらしはどうなるのか。各党は討論会などを通じ、年金制度の在り方を中心に主張をぶつけあっている。

 二十カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて来日したトランプ米大統領は先月二十九日、大阪市内で、日米安全保障条約を「不公平だ」と断言した。対日貿易交渉でのカード化が狙いだとの見方が強いものの、安全保障の根幹に触れ、貿易交渉の行方も左右しかねない。

 政府は今月、韓国に対するハイテク素材の輸出規制を強化。国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し三十一年ぶりに商業捕鯨を再開した。与党は強固な日米同盟をアピールして有権者の理解と支持の獲得に努めている。一方、野党は、政府の外交姿勢や戦略への批判を強めている。 (上野実輝彦)

主な政党の公約

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