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自公、改選過半数の勢い 序盤情勢 投票先5割未定

2019年7月6日 朝刊

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 共同通信社は第二十五回参院選について四、五両日、全国の有権者三万人以上を対象に電話世論調査を実施し、公示直後の序盤情勢を探った。取材も加味すると、自民、公明両党は改選百二十四議席の過半数六十三を超え、改選前の七十七議席前後まで積み上げる勢い。安倍政権下での改憲に前向きな「改憲勢力」は、国会発議に必要な三分の二以上の議席維持をうかがう。野党は立憲民主党が改選九議席からの倍増を視野に入れるものの、全体では伸び悩む。

 投票先を未定とした人は選挙区54・5%、比例代表47・8%。今後、情勢が変わる可能性もある。参院選は二十一日に投開票され、選挙区七十四議席、比例五十議席を争う。

 自民は大勝した二〇一三年の当選組が六年の任期を迎え、改選数は六十六議席に上る。全国三十二の改選一人区は、一六年の前回参院選の二十一勝十一敗に比べ、堅調な数字が見込まれる。立民、国民民主党など野党五党派が一本化した候補は、東北を除く多くの地域で自民に差をつけられ厳しい状況だ。長野、愛媛、沖縄などでは優位に立つ。自民は改選数二〜六の十三選挙区で安定し、二人を擁立した北海道、千葉、東京、広島でいずれも当選圏内にいる。

 公明は一六年選挙と同じ十四議席に届きそうな情勢だ。立民は改選複数区、比例で議席を伸ばす見通し。選挙区、比例とも自民に次ぐ第二党の地位を確保できる位置にいる。国民は改選八議席を割り込む予想。改選数二の静岡で現職が立民新人と激しく競る。

 共産党は改選複数区で、日本維新の会は比例で微増を見込む。社民党は改選一議席の死守を見通す。諸派では、れいわ新選組が一議席獲得の可能性がある。

 【調査の方法】4、5の両日、全国の有権者を対象に、コンピューターで無作為に電話番号を発生させて電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。

 今回、無作為に発生させた番号のうち、実際に有権者がいる世帯にかかったのは3万8777件で、このうち3万581人から回答を得た。

 福島県の一部地域を調査対象から除いた。

 【議席の予測】

 ▽選挙区 過去の参院選挙区に立候補した候補者の世論調査支持率と、実際に獲得した得票率の相関関係を分析し、選挙区や候補者の特性に応じた予測式を用意した。今回の世論調査で得た各候補者の支持率をこれらの予測式に当てはめ、選挙区ごとにシミュレーション(模擬投票)を行い、候補者ごとの推定得票率と当選確率を算出した。これを積み上げて、党派別予想議席数を推計した。

 ▽比例代表 過去の参院比例代表選挙での各党派の世論調査支持率と、実際の得票率との相関から予測式を作成した。この予測式に今回調査での各党の支持率を当てはめ、シミュレーションで都道府県ごとの党派別推定得票数を算出、これを全国に積み上げてドント計算し、各党派の予想議席数を推計した。

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