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「一人でも投票に行くんや!!」31歳芸人の動画、279万回再生

2019年7月18日 夕刊

「若者の政治離れ」をテーマとした「せやろがいおじさん」の動画

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 自身もかつては選挙に行かない若者だったという三十一歳のお笑い芸人が、若者に参院選の投票を呼び掛ける動画が、インターネット上で人気を集めている。参院選が公示された今月四日にツイッターに投稿した動画は、十八日午前までに再生回数が二百七十九万回を超えた。政治家が若者に届く言葉で政策を語ろうとしない「政治の若者離れ」を変えたい思いが配信の動機だ。 (村上一樹)

 「若者の政治離れもなにも、そもそも近づいたことが無いと思うねん」

 「それよりも、若者に近づいてもらうための工夫をした方がええんちゃうか」

 動画は、沖縄の海辺で赤いTシャツにふんどし姿のお笑い芸人「せやろがいおじさん」が、カメラに向かって語り掛ける場面で始まる。決めぜりふは「せやろがい」。関西弁で「そうだろ?」の意味だ。

 おじさんの正体は、奈良県出身で沖縄県を拠点に活動する榎森(えもり)耕助さん(31)。知名度を上げるため試行錯誤を重ね、昨年夏から「せやろがいおじさん」として時事問題や世間の風潮に物申すネタを動画サイト「ユーチューブ」やツイッターに投稿し始めた。

 今回のテーマは「若者の政治離れ」。離れる以前に、若者と政治の距離が遠いという問題意識だ。

 動画では、若者らに人気のショート動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」を例に挙げ「年配の方に『老人のTikTok離れ』って言うても絶対ピンと来(け)えへんやん。そんな感じ」と、若者と政治の距離感を表現する。

 一方、十月に予定される消費税増税について、困るのは所得が低い若者も同じだと指摘。「『俺が行かんくても一緒でしょ』じゃなくて、俺一人だけでも行くんや!」と呼び掛けた。

 ネット上では「人生で初めて、選挙に行こうと思った」などの多くのコメントが寄せられている。

 榎森さんは本紙の取材に「参院選には政権に緊張感を持たせる役割がある。動画を見た人はぜひ投票に行ってほしい」と話した。動画は「せやろがいおじさん 参院選」で検索できる。

榎森耕助さん

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