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「辞めろ」コール 首相、反論控える 秋葉原

2019年7月21日 紙面から

 安倍晋三首相は二十日夜、参院選の最後の訴えを、東京・JR秋葉原駅前で行った。首相にとっては、政権復帰した二〇一二年衆院選以来、国政選挙で最後の演説をして勝利を重ねて縁起の良い一方、二〇一七年の都議選では「辞めろ」コールを繰り返した一団に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言して批判を浴び、大敗した因縁の場所。今回の演説中も「辞めろ」コールが起きたが、首相は反論を控えた。

 二十日夜の秋葉原には、安倍政権に批判的なグループが多く集まり、演説中に「安倍辞めろ」などと声を張り上げた。「自民党が本当にくらしを守れると思います?」などと書いたプラカードを掲げる人たちも。

 一方、首相の近くでは自民党を支持する人たちが「安倍総理、ニッポン、頑張れ!」と書かれたカードや日の丸を振り、演説に合わせて拍手。安倍政権に批判的な人たちが街宣車に近づこうとすると、自民党支持者と「押すなよ」「どっちが押してるんだ」と、互いに顔を近づけて怒鳴り合う光景もあった。

 ただ、グループの周りは大勢の自民党関係者や警察官が取り囲み、大掛かりな市民の排除や暴動には発展しなかったとみられる。札幌市では十五日、首相の演説中にやじを飛ばした市民を警察官が排除したことに対し、過剰対応と指摘された。 (上野実輝彦)

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