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山本氏「障害者施策前進を」 難病、重度2人当選

2019年7月22日 夕刊

記者会見する、れいわ新選組代表の山本太郎さん=22日早朝、東京都内のホテルで

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 二十一日投開票の参院選で、国政初挑戦だった二つの政治団体が、比例代表で議席を獲得した。既存の政党では満たされなかった有権者の不満を受け止めた形だ。また、女性の当選者は過去最多に並び、早速街頭で今後の活躍を誓う人も。一方、投票率は過去二番目に低くなる見込みで、根深い政治不信という現実を突き付けている。

 参院議員の山本太郎さん(44)が立ち上げた政治団体「れいわ新選組」は、比例代表で二議席を獲得し、得票率2%以上という政党要件も満たす躍進を果たした。特定候補者を優先的に当選させる「特定枠」へ重い障害のある二人を擁立したため自身の再選はならなかったが、「日本の障害者施策が大きく前進する。一切の後悔はない」と晴れやかに語った。

 山本さんは二十二日午前四時四十五分ごろ、東京都千代田区のホテルで記者会見した。待ち構えていた数十人の支持者に大きな拍手と歓声で迎えられ「元気やな。もうすぐ始発が出ますよ」と笑顔で応じた。

 山本さんが得た個人票は、各政党・政治団体の比例代表立候補者中トップの九十七万票超。それでも落選したが、「今後は党代表という立場でメディアのいろいろな場面に出られるし、全国の人びととつながりに行くために自由に動ける」と、前向きにとらえた。

 躍進の要因を「そろそろみんな怒る時。二十年以上のデフレで踏みつけられ、生活も人生も大きく変えられた方がたくさんいる。この国に生きる一人一人をおもんぱかることが政治の存在意義だ、ということに賛同していただいた」と分析。四月に旗揚げ後、寄付金が約四億円集まったことについても「死にたくなる社会をやめてくれっていう悲鳴だ」と語った。

 投票率の低さにも言及し「もう政治ってどうしようもないなと思われている。でもそうじゃない、声が届くんですということを、有権者と育んでいきたい」と語った。

 今後の活動については、自らが次期衆院選に挑戦すると明言。「れいわ新選組という存在はまだ知られていない。衆院選までに人との関係を耕したい」と意気込んだ。

 (小松田健一)

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