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「権利あるのにもったいない」10代の投票 知恵絞る都内選管

2019年7月6日 紙面から

ティッシュを配って投票を呼び掛ける生徒たち=調布市で

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 選挙権が18歳以上に引き下げられて2度目の参院選が公示され、各区市などの選挙管理委員会は若い世代の投票率アップを狙った啓発に力を入れている。3年前の都内の10代の投票率は57.84%と、全体の投票率を上回った。その再現はなるか。 (松村裕子)

 「参院選があります。投票、お願いします」

 調布市の仙川駅前で五日、地元の桐朋女子中・高の生徒約六十人が、通行人に「投票日に予定のある方は、期日前投票を!」と書かれたウエットティッシュを配って呼び掛けた。

 今回の参院選から選挙権を得た同高三年の一越美和子さん(18)は「権利があるのに行かないのはもったいない」と投票に行く予定だ。同学年の内河響さん(18)は「私たちが配ることで、投票しても仕方ないと思っている人が、考えを変えてくれたら」と期待した。

 活動を依頼したのは市選管。十代の有権者を活動に加え、若年層の関心を高める作戦だ。このほか、町田市では大学生や専門学校生、板橋区では都立高校生、杉並区では小中学生も啓発に加わる。

大学に配った、参院選を知らせるうちわ=渋谷区で

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 大学や高校を通じて投票を促す区もある。渋谷区は区内十三の大学に、参院選を知らせるうちわ各五十枚を配った。区内在住者が少ない大学もあるが、担当者は「区内外を問わず投票に行ってほしい」とする。

 中野区は、食事する学生にPRしようと、区内二つの大学構内の食堂に、投票日を印刷した紙ナプキンを置く。大田区は、区内の全高校の三年生ら計千三百人に、独自に作ったリーフレットを配る。今年は四月の統一地方選に続く配布で、担当者は「重ねて送ることで、少しでも投票率が上がれば」と期待する。

 武蔵村山市は、二〇一七年の衆院選後に十八歳になった新有権者にかもめーる(暑中見舞いはがき)を送る。スマートフォンで読み取ると啓発動画を見られるQRコードを印刷してあり、「文章よりも視覚で訴えたい」と市の担当者は話す。

 目黒区は若者が多い中目黒駅前で、すぐ近くの期日前投票所を紹介する作戦を計画。台東区は啓発冊子を作り、十八〜二十九歳の全約二万人に送る。板橋区は若者に人気の地元プロスポーツチームの力を借り、バスケットボールの東京エクセレンスの選手に街頭で投票を呼び掛けてもらう。

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