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栃木

高橋さん、組織がフル稼働 着実に支持固め

2019年7月22日 紙面から

笑顔で支持者から花束を受け取る高橋克法さん(左)=宇都宮市で

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 「温かい支援に支えられて当選できた。ありがとうございます」。高橋さんは当選確実となった午後九時半ごろ、支援者でいっぱいとなった宇都宮市の県護国会館に姿を見せ、感謝のあいさつをした。

 花束を受け取り笑顔を見せる一方で、一貫して訴えてきた「地方を守る」の持論にあらためて言及。「国全体を豊かにすることが一番だが、一部に偏りがあってはならない。地方を守り抜くため、農林業、中小企業を支えていきたい」と力強く抱負を語った。

 選挙戦では、個人後援会や自民県連、推薦を受けた公明などがフル稼働。市町長、県議らの応援も得て、着実に支持を固めた。

 野党統一候補の加藤さんの挑戦を受け、「大変厳しい選挙戦になる」と危機感を持って議席を死守する戦いに臨んだ。序盤に自身の優勢を伝える報道が出た際には「油断大敵」と逆に引き締めを図った。

 高根沢町長を長く務めた経験や、国土交通大臣政務官として減災・防災対策に取り組んできた実績もアピール。地方重視の政策を実現するには、政治の安定が求められると主張し、支持を広げた。 (原田拓哉、北浜修)

◆N国・町田さん「NHKの問題をアピールできた」

 町田さんは、落選が確実になると「そもそも当選できると思っていなかった。でもNHKの問題を広くアピールできた」と一定の手応えを口にした。開票作業を見守っていた足利市の市民体育館で取材に応じた。

 今後も政治活動を続ける意向。「われわれの主張を実現するためには放送法改正が必要。今回、その一歩を踏み出せた」と話した。 (梅村武史)

◆加藤さん 知名度不足、低投票率響く

落選が確実となり、あいさつする加藤千穂さん(右)

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 宇都宮市内の加藤さんの事務所に落選確実の報が届くと、支援者から落胆の声が漏れた。「届かなかった。申し訳ない」。姿を見せた加藤さんはおわびするとともに、支援者と握手して感謝の気持ちを示した。

 北海道出身。縁のない県内での戦いに「知名度が足りなかった。投票率も低かった」と敗因を語った。「野党各党や市民の思いを一つにまとめられたことは大きな財産で、次につながる」とも述べ、前向きな姿勢を見せた。

 1人区で自民から議席を奪うという大義の下、立民のほか、国民民主、共産、社民、新社会の県内野党が協調して擁立された。知名度アップを目指し、選挙カーで全域をくまなく回り、街頭演説を繰り返した。宇都宮市出身の枝野幸男・立民代表も応援に入った。

 「20年先の子どもたちに責任の持てる政治」を掲げ、9条改憲反対、消費税率引き上げの凍結、年金制度の情報開示と抜本的な見直しなどを訴えた。働き盛り世代、女性、生活者の目線を大切にし、国会議員の政策秘書時代の実務経験もアピールした。だが、県内で強固な支持基盤を誇る自民の壁は崩せなかった。 (小川直人)

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