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栃木

無党派層の5割超、加藤さんに 比例 維新3番手、れい新4番手 出口調査

2019年7月23日 紙面から

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 参院選投開票の二十一日に共同通信が実施した栃木選挙区投票所の出口調査によると、特定の支持政党を持たない有権者の過半数が、落選した「野党統一候補」で立憲民主新人の加藤千穂さん(43)に投票した。(北浜修、高橋淳)

 調査結果によると、「支持政党がない」と答えた有権者の54・5%が加藤さんに投票したと回答。当選した自民現職の高橋克法さん(61)に投票したと答えた37・1%を上回った。政治団体「NHKから国民を守る党」新人の町田紀光さん(40)は8・3%だった。

 これに対し、支持政党なし層の比例代表の投票先は、自民(31・4%)が立民(26・5%)を上回り、選挙区の投票先の傾向とはやや異なる結果となった。

 支持政党がない有権者の支持を集めたことに、加藤さんの陣営の一人は「候補者個人の親しみやすさや自然体の姿が受け入れられたのではないか」と受け止める。

 支持政党なし層の比例代表の投票先は、自民、立民に次いで、日本維新の会(9・8%)、れいわ新選組(8・7%)が入り、共産や公明などの「老舗政党」を上回る支持を得た。

 一方、争点の一つとなった改憲については賛否が割れた。反対が45・8%、賛成が40・4%だった。

 賛成派は81・9%が改憲を主張した高橋さんに、14・3%が九条堅持を掲げた加藤さんに投票。反対派は68・5%が加藤さんに、25・4%が高橋さんに投じた。

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◆知事が所感「自公連立政権が一定の評価得た」

 福田富一知事は二十二日、県庁で取材に応じ、自民現職の高橋克法さんが勝利したことに対し「自公連立政権に一定の評価が得られた」との認識を示した。

 高橋さんには「地方政治を長くやっているので、弱者の味方になれる人。国会の場で(地方創生の)リーダー役を務めてもらいたい」と期待した。約二十八万票を得た立憲民主新人の加藤千穂さんには「政権への反発、批判が投じられた可能性は高い。健闘したと思う」と述べた。

 低投票率にも触れて「(政党や候補者が)有権者に政策を十分伝えられなかった。若い世代をはじめ、誰が立候補しているのか分からないという状況が、一つの要因でもあった」と話した。(北浜修)

◆投票率50%超え 県内は4町だけ

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 栃木選挙区の投票率は44・14%だったが、市町別では茂木町の55・35%が最も高く、高根沢町53・64%、芳賀町51・41%、益子町50・47%を加えた四町だけが50%を超えた。残りの二十一市町は全て40%台で、最低は足利市の40・63%。宇都宮市は43・35%だった。

 県内全体の44・14%は一九九五年の35・94%に次いで過去二番目の低水準。二〇〇〇年代に入ってからでは衆院選を含めた国政選挙で最も低かった。51・38%だった前回と比較して、全ての市町で下がった。(高橋淳)

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