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千葉

民進「合流」県内も激震 支持者の理解に不安も

2017年9月29日

 衆院が二十八日解散し、来月十日公示、二十二日投開票の衆院選に向け、県内でも事実上の選挙戦がスタートした。小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」に、民進党の事実上の合流が見込まれ、与野党対決の構図が様変わりする。県内の民進党の立候補予定者からは、合流を前向きに受け止める声が上がる一方で、政策の違いや選挙準備の遅れを心配する意見が出た。 (中山岳、美細津仁志、林容史、村上豊)

■民 進

 民進党はこれまで、県内で、前職四人、元職三人、新人四人の計十一人が立候補を予定してきた。

 希望の党への合流について、党県連代表で1区前職の田嶋要さんは「不安もあるがそれ以上の大転換。みんなが腹をくくった」と歓迎。今後は各選挙区で希望の党の支部を作り、自身を含め、民進から出馬予定だった候補者は、希望の党の公認を得て選挙戦に臨む見通しという。

 8区前職の太田和美さんは「目指すべきは安倍政権を倒し、二大政党制の一翼を担う政党をもう一度作ることだ」と意義を強調。7区新人の石塚貞通さんも「(希望の党の)政策に違和感を感じない」と前向きだ。

 13区新人の宮川伸さんは「『希望の党に移った方がいい』との多くの支持者から意見をもらった」という。

 9区前職の奥野総一郎さんは「(両党の代表で)政策をよく話し合って詰めてほしい」と注文。「(支持団体の)連合の人たちが、変わらず支援してくれるかどうか心配。早く公認してくれないと、選挙準備に動けない」と不安の声を漏らした。

 他方で、6区元職の生方幸夫さんは「突然、『民進でなくなる』ということで済まされる話なのか」と、解散直前に突如決まった党の方針に疑問を投げかけ、現時点では従うか未定とした。

 党県連は、二十九日の選挙対策会議で衆院選への対応を決める。田中信行幹事長(県議)は「党籍が不明瞭になり、選挙戦をやりにくい。(合流の経緯などを)地方議員、党員サポーターに理解してもらわないといけない」と話した。

■他 党

 民進を含め、小選挙区候補者の一本化の可能性を探ってきた共産、自由、社民の各党は、選挙戦略の練り直しを迫られることになった。

 共産党県委員会の浮揚幸裕委員長は「民進が脱落し、積み重ねてきた四党の合意をほごにされた」と不快感を示した。

 二十八日に12区に県内唯一の候補を立てると発表した社民党。同党県連合の小宮清子代表(県議)は「せっかくの共闘もご破算ですね」と述べた。

 一方で、日本維新の会は、希望の党との連携の可能性も取り沙汰されている。ただ、2区で出馬予定の新人の藤巻健太さんは「党の決定に従うが、今は(選挙を)やるしかない」と取材に答えた。

 自由党県連代表で3区で立候補予定の元職の岡島一正さんは「野党再編の話は何とも言えない」と話すにとどめた。

 自民党県連の河上茂幹事長(県議)は「カリスマ性がある小池代表が県内の応援に入ったら苦戦する選挙区がある」と警戒する。

 公明党県本部の藤井弘之代表代行(県議)は「政党は、地方議員、支持者がいて重いものだ」と民進党の対応に疑問を投げかけた。

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