群馬
2017年10月3日
小池百合子東京都知事率いる「希望の党」か、リベラル系の新党「立憲民主党」か−。衆院選(十日公示、二十二日投票)を直前に控え、県内の民進党勢力の混迷が深まっている。小選挙区の立候補予定者四人全員が希望の党へ公認申請する方針を確認していたが、同党の候補者「選別」への反発や、枝野幸男民進党代表代行が二日に発表した立憲民主党結党を受け、民進党県総支部関係者から方針見直しを示唆する声も出ている。 (石井宏昌)
党県総支部は九月二十九日の緊急常任幹事会で、群馬1区に立候補予定の前職宮崎岳志さん、3区の新人長谷川嘉一さん、4区の新人不破弘樹さんの三人が希望の党へ公認申請する方針を確認し、党県総支部として支援することを決めた。宮崎さんと、党県総支部と一線を画す2区の前職石関貴史さんは既に後援会の会合で支持者に希望の党へ合流する意向を伝えている。
しかし、希望の党が安全保障関連法や改憲に関する認識を基準に民進出身の候補者を絞り込む考えを示していることなどに県内でも反発が広がった上、リベラル勢力の「受け皿」となる新党結成の動きで状況は急変した。
民進党県総支部幹事長の後藤克己県議は「安倍政権を倒すという大義で(希望の党への合流に向け)やってきたが、これまで訴えてきたことの整合性を考えると、これでいいのかという思いもある。旧来の支持者の信頼を失いかねない。非常に悩む」と困惑。「前職はともかく、新人二人は選挙区単位の総支部で方針を再確認することが必要かと思う」と述べ、リベラル系新党を含め再検討する考えを示した。五日に予定する党県総支部常任幹事会か、その前に緊急の会合を開き、対応を協議する。
支援団体の連合でも、希望の党の候補者選別に反発する声が上がっている。民進党県総支部と合同選対をつくる連合群馬の幹部は「合流方針が示された当初は、民進を希望に読み替えて支援するということだったが、候補選別やリベラル新党の結党で状況が変わってきた。組合員の中にはリベラル新党への共感も少なくない」と話す。高草木悟事務局長は「四、五日にある連合定期大会で方針が示されると思うので、それを受けて動くことになる」と語った。