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群馬

中曽根康隆さん自民比例北関東へ 分裂回避へ「苦渋の決断」

2017年10月6日

 「苦渋の決断だ」−。十日公示、二十二日投開票の衆院選で、群馬1区から立候補する意向を表明していた新人の中曽根康隆さん(35)が五日、自民党公認で比例北関東に回ることを表明した。1区は同党公認の前職尾身朝子さん(56)=比例北関東=のほか、1区前職の佐田玄一郎元行政改革担当相(64)と中曽根さんが立候補を模索し、自民系が分裂する可能性が出ていた。党が分裂回避で調整した格好だが、佐田さんの動向もあり、今後は依然不透明だ。 (石井宏昌)

 前橋市内の事務所での会見で康隆さんは「小選挙区で自民党から立候補することを念頭に活動し、多くの方から背中を押され頑張ってきたが、党本部や党県連から再三にわたって比例での出馬要請があった」と経緯を説明。1区出馬断念について「新党が出るなど、1区の厳しい情勢を考えると、保守分裂の場合ではない」と述べ、何度も「自民党のため」と強調した。選挙戦では「(比例出馬を)決めた以上は、自民の候補として自分のできることを精いっぱいやる」と語った。

 今後の政治活動には「今は整理しないと考えられない」とした上で、「祖父(中曽根康弘元首相)や父(弘文元外相)の姿を見てきたので、自民党で、群馬の皆さんのために頑張りたい」と語った。

 1区の自民党公認をめぐっては昨春、党県連が佐田さんに代わる推薦公認候補の選考会を実施。康隆さんも候補の一人として検討した結果、尾身さんに決まった。

 しかし、康隆さんは先月二十一日に「状況が変わった」と自民党公認で1区から出馬を目指す意向を表明。「不退転の覚悟で挑む」と強調していた。

 1区では、民進党出身で希望の党へ合流した前職の宮崎岳志さん(47)、共産新人の店橋世津子さん(56)が出馬表明している。

◆希望合流の社民の2人推薦取り消し 1区宮崎さん、4区不破さん

 十日公示の衆院選で、社民党県連合は、民進党から希望の党へ合流した群馬1区の前職宮崎岳志さん(47)=比例北関東=と4区の新人不破弘樹さん(51)の推薦取り消しを決めた。

 社民党は民進党出身の宮崎さんと不破さん、3区の新人長谷川嘉一さん(64)の推薦を決めていた。しかし、社民党が新人高橋宣之さん(63)を擁立する群馬5区に、希望の党が対抗馬として新人猪口幸子さん(61)を立てることを受けて判断した。

 希望の党への合流を撤回し、立憲民主党から立候補する長谷川さんは引き続き推薦する。(石井宏昌)

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